鋳造用語 索引
あ
◆ アーク溶解(あーくようかい)
Arc Melting
金属溶解方法のひとつ。電極に電気を流し、電極から発生するアークをワーク(地金)に飛ばしてその熱で 溶解 を行う方法。
◆ RTVシリコーンゴム(あーるてぃーぶいしりこーんごむ)
RTV Silicone Rubber / Room Temperature Vulcanization Silicone Rubber
液状シリコーンゴム(LSR / Liquid Silicone Rubber) の一種で、硬化剤で硬化する二液性のシリコーンゴム 。
RTVは、Room Temperature Vulcanization の頭文字に由来する名称 。
ロストワックス鋳造
(
ブロックモールド法
)では、加熱することなく硬化するため、熱のかけられない
原型
の型取りに使用される。硬化剤との混錬で空気が混入するため、気泡の除去に真空脱泡装置が必要となる。液状で加熱が不要かつ、絶縁効果もあるため電気や機械部品のコーティング、接着などにも使用される。
◆ RP(あーるぴー)
◆ アケ型(あけがた)
Pouring Mold
鉄や黒鉛(カーボン)製の溶けた金属を注ぎ込み塊にする型。縦型と横型がある。彫金用の工具。
◆ R熱電対(あーるねつでんつい)
#R Thermocouple / Thermocouple Type R
熱電対 の種類のひとつ。ロジウム13%を含んだ白金系の熱電対。対応温度は1768℃とされるが、常用では1550℃前後。高価で切れやすい。
◆ 圧迫f蓋(あっぱくがい)
◆ 圧迫鋳造(あっぱくちゅうぞう)
Hand Presser Casting
加圧鋳造
法の原点とされる圧迫鋳造で使用する持ち手付きの専用の蓋を指す。圧迫鋳造は、粘土などの耐圧材(古くはアスベストに粘土を混ぜたもの)に水分を含ませたものを圧迫蓋に詰める。
鋳型
の
湯口
で金属を溶かし、充分溶けた段階で準備した圧迫蓋を湯口に押し当てる。
溶湯
の熱で含んだ水分が蒸発し、この水蒸気圧力で溶湯を鋳型内に押し当てる鋳造方法。
圧迫鋳造の場合、湯口で金属を溶かすため、溶湯の
表面張力
が維持できないほどの太さの
湯道
を取り付けると圧迫蓋を押し当てる前に溶湯が鋳型に侵入してしまうため、湯道の太さを補足する(金属にもよるが一般的に0.8から1.2mm程度)。
◆ アルマリング
◆ アルミ枠(あるみわく)
Aluminum Frame / Rubber Mold Frame
アルミ製の枠。合成ゴムや 熱加硫 式のシリコーンゴムでゴム型を作る際の枠。希望するゴム型の大きさに合わせたサイズがある。コム型のサイズによっては、ゴム型を2個作れる『2個取り』タイプもある。
◆ アマルガム
Amalgam
水銀と他の金属の合金の総称。有名なアマルガムには金アマルガムがある。古来の メッキ 方法。歯科技工での虫歯の穴の詰め物としても使用されていた。
◆ アンダーカット
Undercut Shape / Undercut
金型などの割り型で製品部を抜き取る際の抜き勾配より突き出た部分。これがあると成形物を取り出すことが出来ない。
い
◆ 鋳掛け(いかけ)
Tinkering
鋳物の不良箇所に溶金を注いで溶けあわせる補修方法。『ロウ付け』と同義語。
◆ 鋳型(いがた)
◆ 鋳型強度(いがたきょうど)
◆ 鋳込み不良(いこみふりょう)
◆ 石座(いしざ)
Mount / Mounting / Collet / Chaton
宝飾品の部分名称。宝石を置く台座 (Mounting)で宝石を留める爪 (Prong) が取付けられている。宝石の付いた指輪の中心にある宝石(中石 / Centre Stone)用の石座を中石座、その周りの小さな宝石(脇石 /Side Sone)用の石座を脇石座という。
◆ 石留め(いしどめ)
Mounting / Stone Mounting / Stone Setting
宝飾作の製作用語。指輪やペンダントなどの装身具に宝石を爪でかしめて留めること。
留め方でそれぞれ呼び名がある。爪留め (Prong Setting)、立て爪留め (Crown Setting)、フクリン留め (Bezel Setting)、レール留め (Channel Setting)、連続留め (Pave Setting)、彫留め (Inlay) などがある。
◆ 一方向性凝固(いちほうこうせいぎょうこ)
◆ インジェクションワックス
う
◆ ヴァージンメタル(ばーじんめたる)
え
◆ 液相(えきそう)
Liquid Phase
液体の状態の形態を指す。物質の電気的な結合が解かれ、原子と分子が大きく振動して原子配列がランダムな状態。
◆ 遠心鋳造(えんしんちゅうぞう)
お
◆ 応力(おうりょく)
Stress / Internal Stress
物体に荷重がかかる時これに抵抗する反応が物体内に生じこの反力を指す。荷重とその大きさは等しく、方向は反対で、大きさは単位面積あたりで表す。
◆ 雄型(おがた)
◆ 押し湯(おしゆ)
か
◆ カーボンルツボ
◆ 快削性(かいさくせい)
◆ 解離(かいり)
Dissociation
ひとつの分子が状況の変化により、その成分原子または他分子に分離し、その分解が状況により可塑的に進行すること。
◆ 欠け込み(かけこみ)
◆ ガス鋳巣(がすす)
◆ 可塑性(かそせい)
Plasticity / Plastic
塑性ともいう。固体を曲げたり削ったり叩いたりして力を加えて変形し、力を取り除いてももとに戻らない性質。変形加工することができること、またはできる度合。
◆ 過飽和状態(かほうわじょうたい)
Oversaturation / Supersaturation
ある温度で物質の 溶解 度以上に物質が溶け込んでいる状態。
◆ 加熱コイル(かねつこいる)
Heating Coil / Induction Coil
誘導電磁波を発生させるらせん状のパーツ。 誘導加熱 コイルともいう。ワーク(被加熱体)をこのコイルの中心に置き加熱する。コイルの巻き数や径によりインピーダンスや加熱効率が変わる。
◆ 加硫(かりゅう)
Vulcanization
生のゴムに 加硫反応 を起こさせるために硫黄を混ぜること、または加硫反応を起こすこと。シリコーンゴムの場合には酸化物を混ぜ結合させるため架橋(かきょう/パーオキサイド加硫)と呼ぶが、一般的にはの双方を加硫と呼ぶ。
◆ 加硫反応(かりゅうはんのう)
◆ 還元(かんげん)
Reducing / Deoxidize / Deoxidization
酸化物から酸素を取り除くこと。
◆ 還元炎(かんげんえん)
Reducing Flame
還元 性がある炎。ガスバーナーでは酸素の供給が少ない温度の低い部分を指す。
◆ 還元雰囲気(かんげんふんいき)
Reduction Atmosphere / Reducing Atmosphere
酸素を奪う特性を持つ気体、またはその気体で満たされた空間。
◆ 間接加熱(かんせつかねつ)
き
◆ 気化(きか)
Vaporization
温度を上昇させた際に、物質が気体となって蒸発する現象。
◆ 稀釈率(きしゃくりつ)
Dilution Ratio
液体の濃度を薄めるための溶媒と液体の比率や百分率。ここでは、 バインダー を水で薄める時の比率や希硫酸を作る時の硫酸と水の割合を指す。
◆ 気相(きそう)
Gaseous Phase / Gas Phase / Vapor Phase
物体の3つの相のひとつ。気体状態の形態を指す。
◆ 規則格子(きそくこうし)
◆ 逆偏析(ぎゃくへんせき)
◆ 吸引鋳造(きゅういんちゅうぞう)
◆ 急冷(きゅうれい)
Rapid Cooling / Quenching
急激に冷却すること。
焼き入れなどは、加熱した金属を水や油に浸けて金属を冷やして行う。
晶出
を極力抑えるため液体窒素などに浸けて急冷する場合もある。
◆ 金属間化合物(きんぞくかんかごうぶつ)
◆ 金属三角錐(きんぞくさんかくすい)
く
◆ クラッド
Clad / Cladding
圧力と温度をかけて金属に別の金属を圧着(密着)させること。またはこの方法で得られた成形品を指す。 メッキ とは同義ではない。
け
◆ ゲートスプルー
◆ K熱電対(けーねつでんつい)
#K Thermocouple / Thermocouple Type K
クロメル・アルメルからなる 熱電対 。対応温度はメーカーにより1250℃や1370℃とされるが、1200℃を超えて長時間測温を行うと熱電対の脚(内部の金属)が溶け測温が不可能となる場合が多く見られる。
◆ 係留(けいりゅう)
◆ 経年変化(けいねんへんか)
Secular Change
時間と共に物質の性質、機能、状態などが変わること。しばしば『経年劣化』と同義語。
◆ 経年劣化(けいねんれっか)
Aged Degradation
時間と共に物質の性質、機能などが好ましくない状態に変わること。しばしば『経年変化』と同義語。
◆ 結晶塑性(けっしょうそせい)
Crystalline Plasticity
金属がもつ特徴。金属を曲げたり叩いたりしたときに弾性変形し、主に『結晶のすべり』により結晶の格子構造の一部が結晶面にそって転移(結晶の原子配列が上下に移動)して永久変形することを指す。応力発生した結晶中の転移が内部応力で増大し、これにより転移が起こりにくくなる。これを 加工硬化 とよぶ。
◆ 結晶粒(けっしょうりゅう)
Crystal Grain
小さな結晶。多結晶では、個々の結晶。
◆ 原型(げんけい)
こ
◆ 公転(こうてん)
Revolution
物体が他の物体を中心として回ること。天文学では、太陽を中心として、その周りを回ること。
◆ 高融点金属(こうゆうてんきんぞく)
High Temperature Metal
一般的な金属の融点は概ね1000℃前後であるが、これら金属の融点と比べ高い温度で 溶解 する金属の総称。温度の明確な定義はない。慣習的に1300℃前後以上の融点を持つ金属を指す。
◆ 黒鉛ルツボ(こくえんるつぼ)
◆ 固相(こそう)
Solid Phase
固体の状態の形態を指す。物質の原子と分子が電気的に結合して規則正しく並んでいる状態。金属の場合には結晶の状態。但し、ガラスなどの結晶を持たないアモルファス(非晶質)の物質もある。金属においても凝固プロセスによりアモルファスの金属もある。
◆ ゴマ鋳巣(ごます)
◆ ゴム円錐台(ごむえんすいだい)
◆ ゴム型(ごむがた)
◆ 固容体(こようたい)
Solid Solution
2種類以上の金属または非金属が溶け合い均一な状態の固体を成しているもの。金属などは個々の結晶が規則正しく並んで安定している。この結晶構造に他の元素が入り込んでも元の結晶構造を崩さない状態で入り混じる状態。
◆ 固容限(こようげん)
Solid Solution Temperature
金属が固溶体、つまり元の結晶構造を保ちながら他の元素を取り込むことができる限界点。
◆ 混水比(こんすいひ)
◆ コンタミ
Contamination
コンタミネーション (汚染) の意味の現場用語。金属 溶解 ではppm単位の異物の混入でも金属組成に影響を及ぼす場合があり、これにより元来の物理特性などの特徴が損なわれたりする。
さ
◆ サーマルクラック
◆ 再結晶(さいけっしょう)
Recrystallization
純度の低い粗結晶を不純物の少ない結晶へと成長させること。金属では、乱れた組織を適切な温度で加熱することにより内部 応力 のない一様な組織に戻る現象。
◆ サイズ棒(さいずぼう)
Ring Size Bar / Size Bar / Ring Size Gauge
指輪のサイズ(内径)を測る専用ゲージ。 芯金棒 にサイズが記されたものもある。人の指のサイズを測るリングゲージと対応し、リングゲージで測った指のサイズ(番手)に合わせてこのサイズ棒で指輪のサイズを確認し符合させる。
◆ 酸化(さんか)
Oxidation / Oxidization
元素または、化合物と酸素または、水素が合化すること。広くは、原子・分子・イオンなどが電子を放出するこという。
◆ 残渣(ざんさ)
し
◆ CNC(しーえぬしー)
Computer Numerical Control Machine
RP 装置のひとつ。3Dデータ(CADデータ/STL)をコンピュータ制御(CAM制御)でNC旋盤加工する切削加工装置の略。3軸(xyz)から5軸以上までさまざま。最大で12軸とされる。
◆ 時効硬化(じこうこうか)
Age-hardening / Age Hardening
時間と共に金属が好ましく硬くなること。
◆ 自硬性鋳型(じこうせいいがた)
◆ 指向性凝固(しこうせいぎょうこ)
◆ 自硬性埋没材(じこうせいまいぼつざい)
◆ 自重圧鋳造(じじゅうあつちゅうぞう)
Gravity Casting
重力鋳造ともいう。重力を利用した 鋳造方案 。
◆ 周辺機器(しゅうへんきき)
◆ 昇華(しょうか)
Sublimation
通常物質は、温度の低い順に固体・液体・気体で 相 転移する。しかし固体から液体にならず、気体に相転移するものもある、この現象を昇華という。
◆ 焼結(しょうけつ)
◆ 昌出(しょうしゅつ)
Crystallization
液体から結晶が分離して出ていく(析出する)こと。また、結晶の 析出 をさせるための操作。
◆ 焼成(しょうせい)
◆ 焼成温度勾配(しょうせいおんどこうばい)
◆ 焼成(温度)カーブ(しょうせい (おんど) かーぶ)
Burn-out Curve / Burn-out Cycle
室温から鋳造温度までの昇温プロセスをセグメントで示したグラフ又はデータ。
◆ 焼成炉(しょうせいろ)
◆ 状態図(じょうたいず)
◆ 徐冷(じょれい)
Slow Cooling / Annealing
ゆっくりと目標温度まで冷却すること。
金属の熱処理では、焼きなましの冷却方法。
◆ シリカ
◆ シリカ系埋没材(しりかけいまいぼつざい)
◆ シリカルツボ
◆ 芯金棒(しんがねぼう)
Ring Rod / Ring Anvil
宝飾品の加工で使用するテーパーの付いた棒状の金属工具。指輪などのリング部に当てる当て金。木槌などでリングを叩いてサイズを広げるために使用する。指輪のサイズを測る場合に使用するゲージ(サイズ棒)とは異なる。
す
◆ 鋳巣(す)
◆ ステンリング
Stainless Steel Flask / Sten-ring Flask
ステンレス製のパイプで 鋳型 の枠として使用する。直径(Φ)と高さ(H)でサイズが決まる。
◆ 砂型鋳物(すながたいもの)
◆ スプルー(線)(すぷるー(せん))
◆ 3Dプリンター(すりーでぃーぷりんたー)
Three Dimensional Printing Machine / Three Dimensional Printer
1986年にRPの一機種として開発された装置。3Ðデーターをスライスデーターに変換して一層ずつ積層させて物体を形成させる装置。元々は、3Dプリンティングという技術を指す言葉で、装置はRPシステムと呼ばれていた。2017年に米国のオバマ大統領(当時)が3Ðプリンティング技術を利用したRP装置を3Ðプリンターと称したことが一般に定着した。3Ðプリンターは、大きく7種類に分けられている(2021年現在)。
ロストワックス鋳造で一般的に利用される3Ðプリンターは、鋳造用模型の出力方法として、SLA方式、プロジェクター方式、で焼失可能な素材を使って出力し、これを直接鋳造して成型するダイレクトキャスティングが行われる。焼失可能な素材をマルチジェット方式で出力することもある。一方、砂型鋳造基盤とした3Ðプリンターを利用した鋳造として、SLS方式で鋳型を作り、その空洞に溶湯を注湯するデジタルモールディングと呼ばれる方法で鋳造する生産技術もある。近年では、バインダーと金属粉を混合したスキージーをSLS方式で出力した後、焼結炉で焼き固めて成形物とする、いわゆる金属プリンターにも注目が集まっている。
◆ スラグ
Slug / Float
金属を 溶解 した際に発生する金属以外の不純物を指す。金属以外の不純物は溶融界面に浮く特性を持つ。『のろ』ともいう。
せ
◆ 脆性(ぜいせい)
Brittleness
物質の脆さを示す性質で『粘り』に対応することば。脆性の大きな物質は衝撃値が低く静荷重を加えた場合ほどんど変形せずに破壊する。これを脆性破壊 という。
◆ 脆性破壊(ぜいせいはかい)
Brittle Fracture
物体や物質の脆さに起因する破壊。外部のちからにより物質は、弾性変形から組成変形または、弾性変形から流動変形を経て物体が破壊する。破壊は物質や物体の 脆性 で表される。
◆ 静動鋳造論(せいどうちゅうぞうろん)
◆ 堰(せき)
Gate
水流や水量を調節するために、川の途中や湖・池などの水の出口に作るしきり。
鋳造用語での意味は、
溶湯
が通過する場所。ゲートともいう。製品部とゲートスプルーの接する場所を指す。鋳造においても湯の流れを調節する役目をはたす。
◆ 析出(せきしゅつ)
Deposition
固体以外の状態にある物質や結晶が固体として分離して現れる現象。
◆ 石膏系埋没材(せっこうけいまいぼつざい)
Gypsum System Investment Powder / Gypsum Investment Powder
自硬性埋没材 のひとつ。主成分は シリカ (SiO2)だが、これにアルファー石膏を混ぜた 埋没材 。 ロストワックス鋳造 の ブロックモールド法 による精密鋳造で多用される。石膏成分を含有するため、 焼成 温度が800度以上で石膏成分が分解しガスを発生する(所説あり700℃以上でガスを発生するという論文もある)ため、それ以上の温度で 焼成 を行う鋳造には不向きとされる。また同じ理由で融点が1300℃以上の金属にも不向きとされる。)対応する 鋳型 材として シリカ系埋没材 がある。)
◆ 切削加工(せっさくかこう)
Machining / Metal Removal Machining / Cutting
削ったり、穴を開けたりして成形する方法。鍛造や鋳造と並ぶ、金属の3大加工方法のうちのひとつ。
◆ 切削性(せっさくせい)
Machineability / Cut Ability
削ることができる性質や特性。類義語→ 被削性
◆ セラミックシェル法(せらみっくしぇるほう)
◆ センタースプルー
Center Sprue / Main Sprue
溶湯の傾注口/押し湯に直結した、鋳型内の主となる湯道。メインスプルーとも呼ばれる。
◆ 潜熱(せんねつ)
そ
◆ 相(そう)
Phase
化学的組成及び物理的状態が一様である形態。固体・液体・気体はそれぞれ物質の相を示す表現。
◆ 層流(そうりゅう)
Laminar Flow
流体の分子が流れの方向にそれぞれ平行に移動する状態にある流れ。液体の粘性が高く流速が遅いときにこの状態になる。
乱流
の反意語。
◆ 底注ぎ法(そこつぎほう)
◆ 塑晶変形(そしょうへんけい)
Plastically Crystal Deformation
金属が外部の力によりその 結晶塑性 で変形すること。
◆ 塑性加工(そせいかこう)
Plastic Forming / Plastic Working / Deformation Processing
塑性とは外力により生じた変形が、外力を取り去っても元に戻らず永久的に変形する性質。その加工を塑性加工と呼ぶ。
塑性加工には、鍛造加工(Forging)、プレス加工(Press Working)、せん断加工(Shearing)、深絞り加工(Deep Drawing)、曲げ加工(Bending)、押し出し加工(Extrusion)、圧延加工(Rolling)、引抜き加工(Drawing)、転造加工(Form Rolling) などがある。
た
◆ 脱ガス(だつがす)
Crucible
ガス(気体)を排出させたり無くしたりすること。
◆ 脱型(だっけい)
◆ 脱酸材(だっさんざい)
◆ 脱水条件(だっすいじょうけん)
◆ 脱ロウ工程(だつろうこうてい)
◆ 多方向吸引(たほうこうきゅういん))
◆ ダライ粉(だらいこ)
Chip
切削加工 の際に出る切削カス・切子・廃材。
◆ 弾性(だんせい)
Elasticity
荷重をかけたときに生じた変形が荷重を除くと元の形状に復元する性質。
◆ 鍛造(たんぞう)
Forging
金属の3大加工技術のひとつ。金属をハンマーなどでたたいて応力をあたえ、へこませたり、曲げたり、叩き出したりするなどの 塑性加工 をすること。
ち
◆ 置換(ちかん)
Substitution
ある物とある物を交換したり置き換えたりすること。
◆ 鋳造(ちゅうぞう)
Casting
金属の3大加工技術のひとつ。溶かした金属を型の中に注ぎ入れ 塑性加工 すること。
◆ 鋳造後工程(ちゅうぞうあとこうてい)
Process for After Casting
鋳込み後の脱型から後の工程を指す。ロストワックスキャスティングでは、『湯道のカット (Gate Cutting) 』『バリ取り (Chipping) 』『酸処理 (Pickling) 』『ブラスト処理 (Blasting) 』『研磨 (Polishing / Buffing / Finishing) 』などを指す。
◆ 鋳造欠陥(ちゅうぞうけっかん)
◆ 鋳造ツリー(ちゅうぞうつりー)
◆ 鋳造の方向性(ちゅうぞうのほうこうせい)
Casting Direction / Metal Flowing Direction / Direction of Flowed Metal
鋳造の際には、
溶湯
が鋳型内空洞を満たす際に抵抗がある方向と抵抗の弱い方向がある。
これは
鋳造方案
により異なる。
重力鋳造
では重力方向に(但し、凝固の遅い金属に利用される底注ぎ鋳型の場合を除く)。
吸引鋳造
も
一方向性吸引
の場合には重力方向に向かうが、
多方向性吸引
の場合には吸引方向に向かう。
遠心鋳造
では主に遠心力と回転と反対の方向に向かう(回転方向に対して-45°)。
加圧鋳造
では重力方向に向かうが、上部の
押し湯
から圧力がかかるため圧力の押し出し効果により反重力方向以外では方向性がいちばん少ないとされる。
◆ 鋳造方案(ちゅうぞうほうあん)
◆ 鋳造前工程(ちゅうぞうまえこうてい)
◆ 中心回転式(ちゅうしんかいてんしき)
◆ 彫刻用ワックス(ちょうこくようわっくす)
◆ 直接加熱(ちょくせつかねつ)
つ
◆ 通気性(つうきせい)
◆ 爪(つめ)
て
◆ 低融点合金(ていゆうてんごうきん)
Low Temperature Metal / Low Temperature Alloy
通常の金属より低い融点を持つ金属又は、合金。Wikipedia によれば融点230℃とされている。
一般的には、鉛・スズ・亜鉛の合金などのホワイトメタル、バビットメタル、ハンダ材などを指す。アメリカ溶接協会 (AWS) では、融点450℃以上をロウ材、以下をハンダ材と定義している。
◆ 手込め(てごめ)
◆ デンドライト
と
◆ 取鍋(とりべ)
Ladle
溶解 した金属をすくい上げる手持ちの柄が付いた道具。ラドルとも呼ぶ。
な
◆ 中子(なかご)
Core
鋳物製品の内部に中空部分を作るために使用する内側の鋳型。『芯』『コア』とも呼ばれる。 砂型鋳物 で多用される。
ね
◆ 熱加硫(ねつかりゅう)
Hot Vulcanization / Heat Vulcanization
熱により 加硫反応 /架橋加硫(硫黄や酸化物を混ぜて結合)を起こすこと。
◆ 熱処理(ねつしょり)
◆ 熱振動(ねつしんどう)
Thermal Vibration
原子や分子の振幅振動のこと。固体中の原子や分子は運動エネルギーを持っていて絶対零度でも振動している。温度が上がるとこの振動は大きくなる。
◆ 熱電対(ねつでんつい)
◆ 粘性(ねんせい)
Viscosity
液体の粘りを表す性質。液体の温度が下がると急激に粘りが大きくなる。粘性率は圧力と時間の積で表される。
の
◆ 伸び・伸び率(のび・のびりつ)
Elongation / Elongation Percentage
決められた形状やサイズの金属棒を伸ばし破断するまで伸びた値を元の長さに対して百分率(%)で表したもの。
は
◆ パーティングライン
Parting Line
分かれ目の意味。造型分野では、合わせ型( 雌型 )どうしの合わせ目に発生する境目の筋(ライン)や原型にない突起(バリ)を指す。
◆ 背圧(はいあつ)
◆ バフ
Buff / Wheel Buff
バフホィール、ホィールバフなどともいう。鏡面仕上げをする布や皮革。円盤状の布・フェルト・皮革を複数枚重ねて縫い合わせた研磨用工具。バフモーターや研磨用ハンドピースに取り付けて使用する。研磨する材質(金属・樹脂・塗装など)専用の研磨材を塗布して回転させて使用する。
◆ バフ研磨材(ばふけんまざい)
Buff Compound
酸化ケイ素・酸化クロム・アルミナなどの砥粒を油脂で固めたりペースト状にした研磨材。 バフ に塗布してモーターで回転させ摩擦熱で油分を溶かしながら使用する。
◆ バフ粉(ばふこ)
Buff Compound / Remaining Buff Compound
被研磨物に付着し付着した バフ研磨材 。バフ研磨材は油脂で固めてあるため粘性があり除去しにくいため、専用の洗浄剤がある。
◆ パラフィンワックス
Paraffine Wax
固形パラフィン。炭化水素化合物の一種で科学的合成物ではない。クレヨンやろうそくに使われているためワックスと表現されるが石油に由来する物質でワックスではない。液体のパラフィンは、ホワイト油などともよばれ、着火剤であったりベビーオイルとしも使われる。
◆ バリ
◆ ハンドモーター
Hand Motor / Hand-piece Grinder
金属やプラスチックなどを切削研磨する工具。本体とハンドピースで構成される。砥石や バフ ホィールなど様々な先端ツールをハンドピースに取付け、回転させて研磨を行う。主に歯科技工、宝飾品、模型などの作製や研磨に使用する。ハンドエンジン、ハンドリューター(商品名)などとも呼ばれる。
ひ
◆ 被削性(ひさくせい)
Machinability
切削加工や穴あけ加工したときの削られやすさ。抵抗や温度、刃物との摩擦の度合で客観的に評価される。類義語→ 快削性
◆歪(ひずみ)
Strain
物体は荷重が加わると変形する、その変形の程度を指す。
◆表面張力(ひょうめんちょうりょく)
Surface Tension
液体の分子は互いに引き合っており、表面積を小さくする傾向がある。この力を表面張力と呼ぶ。
◆ピンクゴールド
Pink Gold
一般的には、金(Au)に銅(Cu)と銀(Ag)を混ぜた金合金。K18の場合では、金75%・銅10.5%・亜鉛4.5%・銀10%などを混合する。最近では、パラジウム(Pd)などを混ぜ、より発色の良いピンク色にする配合もある。銅の成分を多くするとより赤に近くなる。
ふ
◆ フィーディング
Feeding
与えることの意。ここでは、凝固収縮する金属に溶湯を連続して供給することを指す。
◆ 輻射熱(ふくしゃねつ)
Radiant Heat
電磁波などの熱線で伝わる熱。
一般的には、熱源からの直接的な熱ではなく、離れている物質の発する熱エネルギーや反射熱を指す。
◆ 沸点・沸騰点(ふってん・ふっとうてん)
Boiling Point
液体が熱せられたときに沸騰して 気化 する温度。この時の外圧が一定であれば、沸騰は一定の温度で生じるため物質特有の定数となる。
◆ 不働態(ふどうたい)
Passivity
腐食生成物が保護膜(酸化被膜)を形成し腐食傾向が著しく減少した状態を指す。ステンレスは含有されるクロムの酸化で不働態となる。アルミ、チタン、ニオブ、タンタル、チタンは 陽極酸化 処理により表面に不働態を形成する。不動態とも表記される。
◆ 歩留まり(ぶどまり)
Yield
全体の生産数量に対して、製品となる生産物の割合。
◆ ブローホール
◆ ブロックモールド法(ぶろっくもーるどほう)
へ
◆ 平衡状態図(へいこうじょうたいず)
Equilibrium Diagram / Phase Curve
安定した状態の合金や溶液の 相 の境目を示す図。金属の場合では2元または3元合金の相の変化や、固体と液体が混ざり合う温度などを示す図。『平衡図』と同義語。
◆ 平衡図(へいこうず)
Equilibrium Diagram / Phase Curve
安定した状態の合金や溶液の 相 の境目を示す図。金属の場合では2元または3元合金の相の変化や、固体と液体が混ざり合う温度などを示す図。『平衡状態図』と同義語。
◆ 編昌反応(へんしょうはんのう)
◆ 偏析(へんせき)
◆ 変態点(へんたいてん)
Transformation Point
熱を上昇・下降したために結晶構造が他の結晶構造に変化する現象、またそれが発生する温度や圧力。点移転ともいう。
◆ ベント
ほ
◆ 硼酸(ほうさん)
◆ 硼砂(ほうしゃ)
Borax
四硼酸ナトリウムの水化物(Na2B4O7・10H2O)で、878℃で溶融しガラス状になる。金属酸化物を溶解するので非鉄合金の溶剤(フラックス)として用いられる。
◆ 放射温度計(ほうしゃおんどけい)
Radiation Thermometer
金属を加温したときに放たれる光を検知し、金属が持つ放射率により金属の温度を演算し表示する温度計。属に、機能が似るため海外ではパイロメータ (Pyrometer) と呼ばれることもある。
◆ 包晶反応(ほうしょうはんのう)
◆ 膨張(ぼうちょう)
◆ 放冷(ほうれい)
Natural Cooling / Room Temperature Cooling
温度の高いものをそのまま放置して温度を下げること。
外気温により冷却スピードが変わる。
◆ 母合金(ぼごうきん)
Mother Alloy / Master Alloy / Ferro Alloy
合金作製時の添加用合金としてあらかじめ準備する合金。
融点の高い合金に蒸発し易い金属を合金する場合に、蒸発などにより成分比が変わらぬように作られる(Mother Alloy)。
計量が困難な量の微量元素を混ぜる場合のにも予め多めの比率で微量元素の入った合金を作り、これを一定の比率で他の金属に混ぜる フェロアロイ(Ferro Alloy)も母合金の一種 。この中間工程の合金は、マスターアロイ (Master Alloy) とも呼ばれる。
◆ ホットスポット
◆ ホットプレス機(ほっとぷれすき)
◆ 補綴物(ほてつぶつ)
Prosthesis / Prosthetic Appliance
義足など人体の欠落した部分に同じ形態や機能を持たせて人工的に作ったものを指す。例えば入れ歯も補綴物のひとつ。
◆ ホワイトメタル
White Metal / Babbitt Metal
ハンダ付けに使われるハンダ材。鉛とスズからなる低融点合金。玩具や釣り具の一部などに使われる合金。鉛は人体に有害なため近年(2003年以降)は環境保全の目的で鉛の代わりに亜鉛を入れたスズ基の合金に変わってきている。工業方面で軸受けなどに使われるバビットメタルもホワイトメタルと呼ばれるが、組成は玩具や釣り具とは異なりバビットメタルは銅やアンチモンなどを配合した合金。
ま
◆ 埋没材スラリー(まいぼつざいすらりー)
む
◆ 無結合型埋没材(むけつごうがたまいぼつざい)
め
◆ 雌型(めがた)
Mold / Outer Mold
一般的な型を指す。 雄型 に対応する表現。
◆ メス刃(めすば)
◆ メッキ(鍍金)(ときん)
Plating
金属の表面に別の金属の幕を付ける表面処理。
一般的には湿式(金属の溶け込んだ溶液の中の金属をイオン化して電離させ対象物に付着させる)で行うため、電気を通さない物質へのメッキは不可能とされる。電気を通さない物体へのメッキでは、無電解メッキやイオンプレーティングなどで行う。ハードディスクや樹脂系の素材へのメッキはスパッタリングターゲット法などで行う。板貼り (Cladding) とは異なる。 また、金製品では、メッキを (GP / Gold Plating ) または、(PG / Plated Gold) と表記し、金張り (GF / Gold Fielding) または、(FG / Field Gold) と区別している。
◆ 面引け(めんびけ)
Surface Shrinkage
熱 膨張 した成形物の面に発生する収縮のこと。『引け』ともいう。
や
◆ 焼き付き・焼き付き現象(やきつき・やきつきげんしょう)
◆ 焼きならし(やきならし)
Normalizing
加工 歪 を取り除くため、金属表面の組織を均一化する熱加工。『焼準』と同義語。
ゆ
◆ 誘導加熱(ゆうどうかねつ)
Induction Heating
インダクション加熱ともいう。 加熱コイル などの導体に交流磁場を与えると電磁誘導により電流が流れ電気抵抗により発熱すること。
◆ 湯じわ(ゆじわ)
◆ 指なじみ(ゆびなじみ)
Size Area
宝飾品の部分名称。指輪円周で指輪の外側と指と接する指輪の腕から下の場所。円周に沿った角を落として鈍角にした部分。指輪を装着したときの指との感触を和らげる効果がある。
◆ 湯回り不足(ゆまわりぶそく)
◆ 指輪の腕(ゆびわのうで)
Hoop / Shank / Ring Arm
宝飾品やアクセサリーの指輪の部分名称。指輪上部の宝石やデザイン部から下のリング状の部分を指す。宝石やデザイン部を構成する直近の部分で、 石座 の下の部分を『腰』 (Base)、『腕』と繋がる部分を『肩』(Shoulder)、腕から下の部分を (Sizing Area) などと呼ぶ。
◆ 湯道(ゆみち)
よ
◆ 溶解(ようかい)
Dissolution / Melting
物体を加熱して固体から液体に 変態 すること。溶解とは熱を運ぶ電子の動きにより電子集団から各原子が遊離して自由に運動している状態で、それらの原子の熱振動が大きい。融解ともいう。
◆ 陽極酸化(ようきょくさんか)
◆ 容態化処理(ようたいかしょり)
◆ 溶湯(ようとう)
Molten Metal / Melting Metal
溶解した金属及び合金。『湯』と同義語。
◆ 溶落(ようらく)
ら
◆ ラインワックス
り
◆ リターン材(りたーんざい)
◆ 硫化(りゅうか)
Vulcanization
元素または化合物と硫黄(S)が化合すること。合成ゴムやシリコーンゴムを架橋し弾性を出すことを加硫と呼ぶが、英語では硫化と同じ vulcanization と表記をする。
◆ リジェクト品(りじぇくとひん)
Rejects / Rejected Products
リジェクトとは、元来『拒絶』『却下』の意味。製造におけるリジェクトとは、規定の品質以下などで不良品として製品にならないものを指す。
る
◆ ルツボ
れ
◆ レクロン刃(れくろんとう)
◆ レッドゴールド Red Gold 金(Au)に銅(Cu)を混ぜた金合金。『赤割り』とも呼ばれ赤味を帯びた発色。K18の場合では、金75%・銅25%の配合比。
ろ
◆ ロウ付け(ろうづけ)
Brazing
金属どうしを接合する方法のひとつ。
本体金属より融点の低い合金(ロウ材)を溶解し、毛細管現象を利用して合わせ目にロウ材を流し込み接合する。ロウ材は融点が450℃以上と定義されているため半田(ハンダ)とは異なる。溶接(welding)は共材(ともざい/本体と同じ金属)で接合するためロウ付けとは別に分類されている。
『鋳掛け』
と同義語。
◆ ロウ引け(ろうびけ)
Shortage of Brazing Filler Metal
ロウ付け の際のロウ材の不足、熱のかけ過ぎや高温になる回数が多くなると、ロウ材の亜鉛やスズなどの融点の低い金属が酸化したり、高温になる場所に移動して分散し、ロウ付け箇所に段差が出ること。ロウ切れともいう。
◆ ロウ目(ろうめ)
Brazing Print / Brazed Line / Filler Line
ロウ付け 箇所に残る製品部の金属の色とロウ材の色の違いによる筋。
◆ ロストワックス鋳造(ろすとわっくすちゅうぞう)
Lost-wax Casting-
鋳造の種類の分別用語。元来 原型 などを蜜蝋などの蝋で作り、これを鋳型内で焼失(脱ロウ)して空洞をつくり、これに溶けた金属を流し込む鋳造方法であるため、WAX(蝋)をLOST(失くする)この方法をロストワックス(Lost Wax)と称した。
◆ 炉冷(ろれい)
Furnace Cooling
加温が終了した炉内でゆっくりと冷却すること。
身近なものでは、陶器やガラスながこの方法で冷却される。
わ
◆ ワックス型(わっくすがた)
◆ ワックス射出(わっくすしゃしゅつ)
Wax Injection
ワックスを圧力で押し出すこと。
◆ ワックスツリー
◆ ワックスパターン
◆ 割り金(わりがね)
Alloy / Alloys
合金を造る目的で、主成分の金属(主に貴金属)に添加する金属を指す。
金の場合を例にとると、K18の場合主成分の金に25%の銅や銀を混合する。この場合の銅や銀を『割り金』と呼ぶ。強度をあげるために金の硬度を上げたり、色を変えたりする目的で割り金を入れる。銅や銀の割合を変えることにより発色が変わる(赤割や青割りなどと言われる。ホワイトゴールドはニッケルやパラジウムを入れ金を白色にしたもの。)