突然製造中止となったスーパーベスト。現在、これと同等品の埋没材が存在することをご存じでしょうか?
スーパーベストと同等品と言われるSV20について徹底解説致します。
石膏系埋没材SV20とは
SV20とは、英国HOBEN社によるKARR社及びR&R社のM& Aにより、R&R社がSUPERVEST 20 のレシピを再現し、SUPERVEST 20 と同じ製品を生産・発売を開始した埋没材です。
特徴は、なんといってもその鋳肌の良さと、※比較的安く手に入れられる価格です。
従来のスーパーベストのファンの方々には、性能・安定性など自信を持ってご紹介できる製品です。
※当社比
価格と品質のコスパが最も良いスーパーベスト
弊社が長年取り扱ってきたいろいろな埋没材の中でも、米国KARR社製のスーパーベストは、その価格と品質のコストパフォーマンスが最も良い埋没材の一つで、
日本の宝飾品鋳造の市場では、絶大な人気と信頼を集め、かなりのシェアを持っていました。
しかし、2019年頃のKARR社の業務縮小に伴い、惜しまれながらも販売中止となりました。
当時、スーパーベスト20は宝飾用のスタンダード埋没材として発売されました。
ワンランク上の製品としてサテンキャストも発売されましたが、価格と日本の気候や長年日本で行われていた焼成条件などにより、KARR社の思惑からはずれ、結果的にスーパーベスト20が絶大な人気を誇り、大きなシェアを勝ち取りました。
弊社でも、上級品としてサテンキャストを販売しておりましたが、品質志向のユーザーには鋳肌や生型強度で上回るR&R (RANSON & RANDOROPH社)のウルトラベストに軍配があがりました。
その後宝飾業界の景気後退などを受け、KARR社ではカーキャスト2000などの低価格品もリリースし、一部のユーザーはこれに切換えましたがスーパーベスト20にとって代わるほどの人気は取れませんでした。
過酷な条件下でも鋳肌と安定性を発揮
埋没材メーカー(海外)の推奨する焼成カーブは、概ね13時間以上です。それに比べて、私たちが日本で行っている焼成時間は平均で約8時間前後と長くなっています。
メーカーの立場としては『ベストな状態』を推奨するのは当然ですが、生産効率を考慮した結果、現在でも前述のように約8時間を目安に行っております。
スーパーベスト20は、焼成カーブが短縮された過酷な条件下でも一定以上の鋳肌を確保しながら、価格の優位性があったため、多くの人から指示されました。
スーパーベスト20は、高額な埋没材と比べた場合、その価格に見合った以上の『鋳肌』や『いつ購入しても一定の品質である』という『安定性』において安心して使用できる埋没材でした。
石膏系埋没材SV20として復活
スーパーベスト20の生産中止により、代用品としてOROや吉野石膏、キャストワンエイトの優美や英雄などの埋没材をお使いの方も多いと思います。それらに加えて、スーパーベストと同等品と言われるSV20が誕生しました。
推測の域を脱しませんが、R&Rとしても、かつてのSUPERVEST20の人気と信頼性を再認識し、製造中止からしばらく時間が経っても、その市場性を認めSV20として復刻したものです。
『SV20』は、Supper Vest 20 (?)を充分意識したネーミングですね。
少量で販売もしています
個人で製作されている方、アトリエで製作されている方など、大量に埋没材を使わない方向けに内容量2kgの小分け販売もしております。
チャック付きの袋なので、しっかり防湿され長期保存が可能です。また、独立型なので収納する時にも便利です。