鋳造機の設備、つまり生産を外部に求めるか、内製でまかなうかは、戸建ての家を買うのと似ています。
家賃を毎月支払い生活するのか、ローンを組み戸建てを買うのかです。
外部への委託生産の場合には、当然『外注費』がかかります。単純計算ですが、製造生産ラインの導入の予算を月産の鋳造にかかる費用で割って、どのくらいの期間で設備の損益分岐点を超すのか知ることができます。
たとえば、3Dプリンターなどを利用したオンリーワン商品の生産を考えてみましょう。
顧客単価が高く利益率の良い製造販売であれば、以下のような計算式では得られない大きなメリットがあるのも事実です。
① 1個生産を含む小ロット生産
② お客様に合わせた短納期
③ デザインなどの知的所有権の防御
『一貫生産』という信頼や自社のブランドイメージの獲得にも一役買うはずです。また、自社のペースで製品が作れれば、販売管理から推測される販売予定に基づいた計画生産が可能になるので、余分な在庫も少なく済むはずです。
設備投資の損益分岐点
外注のメリットデメリット
メリット
固定費が安く済む
製造に対するクレームが出せる
デメリット
特に複数の鋳造工場に外注する場合、品質の安定化や生産管理が厳しい
納期が安定しない場合がある
売れ筋デザインが盗まれる可能性がある
在庫が増える可能性がある
内製のメリットデメリット
メリット
計画生産により納期の短縮が期待できる
技術の向上により、品質の安定化が図れる
デザインなどの知的所有権を守れる
一貫生産で対外信用やブランドイメージが上がる
デメリット
設備投資が必要
労働賃金などの固定費が上昇する
地金管理が必要になる