G/R比(じーあーるひ)
G/R Ratio
凝固現象や結晶成長の分野で用いられる非常に重要な指標であり、特に合金の凝固組織(ミクロ組織)の形態を決定づける上で決定的な役割を果たす。
G/R比は、以下の2つの物理量の比率として定義される。
G/R比 = G/R
■ G=温度勾配 (Thermal Gradient)
凝固界面(固相と液相の境界面)における液相側の温度の傾きを表す。
単位は、温度/距離、例えば ℃/cmなどで示され、熱の逃げやすさ、冷却の速さを示す。
Gが大きいほど、固液界面から熱が効率よく奪われており、液相側の温度が急激に高くなっていることを意味する。
■ R=凝固速度 (Solidification Rate or Growth Rate)
凝固界面が移動する速度を表す。
単位は、距離/時間、例えば cm/secなどで示され、固相が成長する速さを示す。
Rが大きいほど、結晶が急速に成長していることを意味する。
凝固組織への影響
G/R比は、凝固界面の安定性を評価するための指標であり、この値によって、合金の凝固形態が「平面凝固」「セル状凝固(細胞状凝固)」「樹枝状凝固(デンドライト凝固)」のいずれかになるかが決まる。
これは、凝固界面で発生する組成の過冷却(Constitutional Supercooling)の程度と密接に関連している。
鋳造用語 索引