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鋳造用語集

プロメチウム
Promethium

1945年、アメリカ・テネシー州のオークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory)で、化学者ジェイコブ・A・マリンスキー(Jacob A. Marinsky)、ローレンス・E・グレンデニン(Lawrence E. Glendenin)、チャールズ・D・コリエル(Charles D. Coryell)の3名は、原子炉内でウランの核分裂生成物を分析する過程で、新元素を発見した。しかし、第二次世界大戦中のマンハッタン計画に関連する研究であったため、発見はしばらく公表されず、1947年に正式発表された。

プロメチウムは、メンデレーエフの周期表で長らく「存在するはず」と予測されながら天然では発見されなかった元素であり、天然に安定同位体を持たない最初のランタノイド元素として知られている。

元素名(Promethium)は、ギリシャ神話のプロメテウス(Prometheus)に由来する。プロメテウスは天界から火を盗み、人類へ与えた神として知られている。この名称には、「原子力という新しいエネルギーを人類が手にした時代を象徴する元素」という意味が込められている。

プロメチウムは、第6周期・ランタノイド系列に属する希土類元素(レアアース)であり、銀白色の放射性金属である。電子配置は [Xe] 4f⁵6s²、価電子数は3個で、通常は+3価の酸化状態を示す。ランタノイド元素の中では唯一、天然に存在するすべての同位体が放射性であり、安定同位体を持たない。そのため、自然界にはウランの自発核分裂などによって生成される極微量しか存在せず、実用上は人工的に製造されたものが利用されている。

現在利用されるプロメチウムの多くは、原子炉内でネオジム146などの核分裂生成物から回収されるか、ネオジム146へ中性子を照射して製造される。代表的な同位体であるプロメチウム147(Pm-147)は、比較的低エネルギーのβ線を放出するため、放射線の遮へいが容易であるという特徴を持つ。

プロメチウムは、かつて夜光塗料や自発光式計器、厚さ測定装置、β線源などに利用されていた。また、放射性同位体電池(ベータボルタイク電池)の電源として研究されたこともある。しかし現在では、より安全性や性能に優れた放射性同位体やLED技術の普及により、その用途は研究機関や特殊な計測機器などに限られている。

元   素   記   号   Pm
陽      子      数  61
価   電   子   数  3
原      子      量 145(安定同位体が存在しないため代表同位体)
融                点   1042
沸                点   3000
密                度   7.26
存      在      度   地球 天然では極微量(ウラン鉱石中に痕跡程度)  宇宙 極めて微量
代表的な製品  β線源、厚さ測定装置、自発光式計器(過去)、研究用放射線源、ベータボルタイク電池(研究)
-こぼれ話-
プロメチウムは、「地球上で最も希少なレアアース」とも呼ばれています。
実は、レアアースに分類される17元素のうち、天然に安定同位体を持たない唯一の元素です。そのため、地球が誕生した約46億年前に存在していたプロメチウムは、長い年月の間にすべて放射性崩壊してしまいました。
現在、天然で見つかるプロメチウムは、ウラン鉱石中でウランの自発核分裂によって新たに生成されたごくわずかな量だけです。その総量は、地球全体でも数百グラム程度しか存在しないと推定されています。
このため、私たちが利用するプロメチウムはほぼすべて原子炉で人工的に製造されたものであり、「天然にはほとんど存在しないレアアース」という非常に珍しい存在なのです。

 

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