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鋳造用語集

ゲルマニウム
Germanium

ゲルマニウムは、原子番号32の元素であり、周期表では第4周期・第14族に属する半金属(メタロイド)元素である。
1886年、ドイツの化学者クレメンス・ヴィンクラーによって、銀鉱石アルギロダイト(Argyrodite)の分析中に発見された。元素名(Germanium)は、発見者の祖国であるドイツ(Germania)に由来している。

ゲルマニウムは、1869年にドミトリ・メンデレーエフが周期表を発表した際、「エカケイ素」としてその存在と性質を予言していた元素である。発見されたゲルマニウムの原子量や密度、化学的性質は、その予言と驚くほど一致しており、周期律の正しさを証明した代表的な元素として科学史に名を残している。

天然では単体として存在することはほとんどなく、ゲルマナイト(Germanite)やアルギロダイトなどの鉱物中に微量含まれるほか、亜鉛鉱石や石炭の副産物として回収されることが多い。専用鉱石から採掘される量は少なく、現在の工業生産の多くは亜鉛精錬時の副産物に依存している。

ゲルマニウムはケイ素と同じ第14族元素であり、電子配置は [Ar] 3d¹⁰ 4s² 4p² である。電気伝導性は温度や不純物によって変化する代表的な半導体であり、1947年に世界初のトランジスタへ使用されたことで、エレクトロニクス時代の幕開けを支えた元素として知られている。

現在では、ケイ素半導体に主役の座を譲ったものの、赤外線をよく透過する特性を活かして赤外線カメラや暗視装置、光ファイバー通信、光検出器、高効率太陽電池などに広く利用されている。また、シリコンと組み合わせたSiGe(シリコン・ゲルマニウム)半導体は、高速通信や5G・6G通信機器、高性能CPUなどにも採用されており、現代の情報通信技術を支える重要な材料となっている。
さらに、有機ゲルマニウム化合物の一つであるプロパゲルマニウムは、慢性B型肝炎の治療薬(免疫調節薬)として医薬品の承認を受けており、医療分野でも利用されている。

元   素   記   号 Ge
陽      子      数 32
価   電   子   数 4
原      子      量 72.630
融                点 約938.3
沸                点 約2833
密                度 5.323 
存      在      度 地球  約1.5 ppm   宇宙  0.07ppm(質量比)
代表的な製品 赤外線レンズ、暗視装置、光ファイバー、光検出器、高効率太陽電池、SiGe半導体、高速通信デバイス半導体・赤外線透過ガラス・レンズ・ガンマ線の放射線検出器
-こぼれ話-
ゲルマニウムは、世界初のトランジスタに使われた元素として知られています。1947年、アメリカのベル研究所で開発された世界初のトランジスタにはゲルマニウムが使用され、真空管に代わる電子部品としてエレクトロニクスの歴史を大きく変えました。その後、製造しやすく高温にも強いケイ素が主流となりましたが、ゲルマニウムは「半導体時代の幕を開いた元素」として今も高く評価されています。

また、ゲルマニウムは赤外線を非常によく透過する珍しい性質を持っています。そのため、人の目には見えない赤外線を利用するサーモグラフィーや暗視カメラ、宇宙望遠鏡などの高性能レンズ材料として現在でも活躍しています。100年以上前に発見された元素ですが、最先端の宇宙開発や防災技術を支える重要な材料であり続けています。

 

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