鋳造用語集

 エンハンスメント
Enhancement

増大や増進を意味することば。

宝石では、石の外観を美しく見せるために宝石に顔料を染みこませ発色を良くしたり、宝石を人工的に物理処理又は化学処理することを「宝石のトリートメント」と呼ぶ。

日本では、この処理宝石について、「トリートメント」と「エンハンスメント」の2種類に分類している。
宝石の裏側に塗料を塗ったり、色のついたフィルムを貼ったりするフォイルバックと呼ばれている加工や輝きや発色を良くするために表面に樹脂の被覆を着せるコーティングとよばれる「あきらかなごまかし」が施された宝石はトリートメントや模造石と定義される。

オイルを含侵させ宝石内部のキズを目立たなくする処理や好ましくない発色のカラーストーンを高温炉などで熱処理を行い、発色を好ましくして宝石の価値を高めているものをエンハンスメントとしている。
天然石の研磨やカットなどの人工的な加工は天然石としての価値が損なわれないとされている。エンハンスメントは、これにならって天然石として鑑別されており、ほぼ天然石と同じ価値が認められている。
従来から一部の宝石には熱処理が既に施されており、鑑別書にも「無処理」と記載されない宝石(「処理」はされているが、「処理されていない」と記載されない宝石)があるため、サファイアやルビーなどの宝石も熱処理は周知であり、これにならって熱処理に関する明確な記載をする必要はないとしているからである。

しかし、一方では、鉱物学的には天然であるが、本来天然の希少性に価値を置く宝石に対して、人工的な処理を施した宝石が天然石といえるかどうかの議論があり、賛否が分かれている。

現在(2022年)において、エンハンスメントにおいて「熱処理」の消費者への告知の法的な義務はなく、宝飾業界においても表示義務に関する規定がされていない一方で、オイルの含侵処理がされたエメラルドなどには「含侵処理」の表示や、熱処理には「熱変成」などと呼び非処理の宝石と区別して諸費者に情報を提供することも多く見かける。
また、熱処理が行われていない天然石には「非処理」と記載して差別化する傾向も見られ、実際に非処理で発色が良い宝石は、処理宝石より高額で取引されている。

 

加熱処理が一般的な宝石

アクアマリン
評価の低いヘリオドールやグリーンベリル等を加熱し、アクアマリンへ変性させることで付加価値を高める。またアクアマリンの多くは、掘り出したときは淡い青しか呈しない石がほとんどのため、加熱処理を施し色を濃くするのが当たり前になっており、ゆえに鑑別書に無処理が記されない。

琥珀(こはく)
商品にならないコハクの破片や、研磨の際に出た粉末、コハクには至らない経年の浅いコーパルを加熱して融合させた石があるが、これは古くから存在しアンブロイド (Ambroid) と云う別名で呼ばれている。

コランダム(ルビー・サファイア)
ジュエリーとして市販されているコランダムのほとんどに加熱処理が行われている。加熱処理をしていない石で、優れた彩度を持ちかつ透明度の高い石は極めて稀であり、それゆえに古くは王侯貴族しか手にできなかったが、現在はこの処理のおかげで多くの人が手に届くようになった。稀ではあるが加熱していない石もときおり産出はするので、そうした石は非加熱と呼ばれ高額で取引される。

シトリン
天然にはシトリン(黄水晶)はほとんど産しないため、アメシスト(紫水晶)を加熱することにより大量生産される。

ジルコン
無色、青、ゴールデンのジルコンは、加熱処理による着色がほとんどなので、鑑別書に無処理と記されない。

タンザナイト(ブルーゾイサイト)
ジュエリーに用いられるタンザナイトは、現在ではその全てが加熱処理されるため、鑑別書に無処理と記されない。

トルマリン
一部のイオン化した銅を含んだインディゴライト(青いトルマリン)は、加熱処理によりずっと価値の高いパライバ・トルマリンに変色する。その他のカラーも加熱処理が施されていることが多い。

ピンクトパーズ
ピンク・トパーズはインペリアル・トパーズを加熱することで得られる。この石もまた、鑑別書で無処理である旨の記載がされない。

(ウィキペディア/加熱処理より)

 

 

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