鋳造用語集

MIM(みむ)/MIM工法(みむこうほう)
Metal Injection Molding / Metal Injection Modeling / Metal Injection Manufacturing

金属粉末射出成型法。Metal Injection Molding の略称.
「プラスチック成形の自由度」と「金属の強度」を掛け合わせたハイブリッドな加工技術。
複雑な形状の金属部品を、高精度かつ大量に生産したい場合に非常に強力な選択肢となる。
金属の微粉末と「つなぎ材」を混ぜたスキージ材を金型に射出成型し、粉末冶金の要領で焼結させて成型する技術。
焼結時に収縮を伴うため、収縮を考えて金型をつくる必要があり、これがノウハウとなる。

MIMの主なメリット

■ 複雑な形状が可能
切削加工(削り出し)では困難な、内部空洞や複雑な曲面、微細な凹凸を持つ形状も、金型さえあれば一度に成形が可能。

■ 高密度・高強度
最終的な製品は、溶融・焼結プロセスを経て密度95%以上に達する。
これは一般的な粉末冶金よりも高く、鍛造品に近い強度となる。

■ 多種多様な材料
ステンレス、チタン、タングステン、磁性材料など、幅広い金属材料に対応している。

 コストダウン
部品点数の削減(複数の部品を一体化)や、材料ロスがほとんどないため、大量生産においてコストメリットが大きい。

MIMの工程

一般的に以下の4つのステップで進められる。

1. 混 練(Feedstock)
金属粉末と樹脂(バインダー)を混ぜ合わせ、ペレット状の材料を作る。

2. 射出成形(Molding)
プラスチック成形機と同様のマシンで、金型に材料を注入する。
この状態をグリーン体と呼ぶ。

3. 脱 脂(Debinding)
加熱や溶剤によって、成形体からバインダー成分を取り除く。
この状態はブラウン体と呼ばれ、非常に脆い。

4. 焼 結(Sintering)
融点に近い高温で焼き固める。
この際、バインダーが抜けた隙間が埋まるため、全体が20%前後収縮して緻密な金属製品になる。

注意点とデメリット

 サイズの制約
焼結時の収縮コントロールが難しいため、基本的には手のひらサイズ(数g〜100g程度)の小型部品に適している。

■ 金型費用
プラスチック成形と同様に金型が必要なため、極端に少量の生産(試作数個など)にはコストが見合わない場合が多い。

■ 設計のコツ
全体が均一に収縮するよう、肉厚を一定にするなどのMIM特有の設計ノウハウが必要となり、このノウハウは、適切なバインダーの選択とともに、企業秘密とされる場合が多く見られる。

MIMの活用例

 療機器
手術用器具(鉗子など)、インプラント部品。

 電子機器
スマートフォンの内部部品、カメラのヒンジ、コネクタ。

 自動車
エンジン周りのセンサー部品、ターボチャージャー部品。

 高級雑貨
腕時計のケースやバンドのコマ、眼鏡フレーム。

 

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