セル状凝固(せるじょうぎょうこ)
Cellular Solidification
細胞状凝固とも呼ばれる。
合金が凝固する際の微細組織の形態の一つで、平面凝固と樹枝状凝固(デンドライト凝固)の中間的なパターンを示すもの。
発生条件
セル状凝固は、主に以下の条件が満たされた場合に起こりやすくなるとされる。
■ 組成の過冷却(Constitutional Supercooling)が発生していること。
これは、凝固界面の液相側に、融点以下の温度領域が生じる現象。
■ 温度勾配 と凝固速度の比 (G/R比)が、平面凝固の場合よりも小さい場合に発生する。
形 態
■ 固相と液相の界面に、六角形や円形のような細胞状(セル状)の小さな突起が形成される。
■ これらの突起は、熱流の方向にほぼ平行に成長していく。
■ 樹枝状凝固のように複雑に枝分かれ(二次アームなど)することはなく、比較的単純な形状を保つ。
構造の詳細
■ 突起の先端(セル先端)では比較的純粋な固相が成長し、凝固の際に液相中に排出された不純物(溶質)はセルの境界に沿って濃縮される。
■ この不純物の濃縮が、セルとセルの間に溝のような液相の領域を作り出し、セル状の組織を形成する。
鋳造用語 索引
