不規則固溶体(ふきそくこようたい)
Disordered Solid Solution
2種類以上の元素が混ざり合い、結晶格子上の原子の並びが統計的にランダム(無秩序)になっている状態の固溶体を指す。
不規則固溶体の特徴
通常の金属結晶では、原子が規則正しく配列するが、不規則固溶体では「どの格子点にどの原子が来るか」が決まっていない。
■ 配置のランダム性
例えば、Aという金属にBという金属が溶け込んでいる場合、A原子が座るべき場所にB原子が無秩序に配置される。
■ 結晶構造の維持
原子配置はバラバラだが、結晶構造(面心立方格子や体心立方格子など)自体は維持されている。
生成される条件
不規則固溶体は、主に以下のような条件下で見られる。
■ 高温状態
温度が高いと原子の熱運動が激しくなり、規則正しく並ぼうとする力よりも、乱雑になろうとする力(エントロピー)が勝るため、不規則化しやすくなる。
■ 原子サイズや性質の類似
混ざり合う原子同士のサイズや化学的性質が近い場合、特定の場所に特定の原子が収まる必要性が低いため、ランダムに混ざりやすくなる。
規則固溶体との違い
対照的な概念として、特定の原子が特定の場所に規則正しく配置される「規則固溶体(Ordered solid solution)」があります。
| 特 徴 | 不規則固溶体 | 規則固溶体 |
| 原子配列 | ランダム(無秩序) | 規則的(周期性がある) |
| 主な要因 | 高温、高いエントロピー | 低温、原子間の引力 |
| 物理的性質 | 電気抵抗が高い傾向 | 強度や硬度が変化しやすい |
→ 規則-不規則変態
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