鋳造用語集

セメンタイト
Cementite

の組織のひとつで共析変態後に形成される鉄と炭素の化合物で、炭素を質量比で約6.67%含んでおり、極めて硬く、脆い。

  性 質
を構成する組織の中で最も硬い成分であり、ビッカース硬度で約1200HV以上と非常に硬い。
この硬さから、工具や耐摩耗性が求められる部品に利用される。
しかし、一方で、非常に脆く、衝撃に弱い性質を持っている。
そのため、セメンタイトの形状や分布を適切に制御することが、鋼の特性を調整する上で重要になる。

  組織の形態
①  パーライト
共析変態によって、柔らかいフェライトと層状に交互に並び、パーライトと呼ばれる組織を形成する。
②  球状セメンタイト
熱処理(球状化焼きなまし)によって、粒状に凝集したセメンタイトを形成する。
この組織は、加工性を向上させたり、後の熱処理で靭性を高めたりするのに役立つ。

  磁 性
約213℃以下では強磁性体だが、それ以上の温度では磁性を失う。

 

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