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鋳造用語集

アインスタイニウム
Einsteinium

1952年11月1日、アメリカがマーシャル諸島で実施した世界初の水素爆弾実験「アイビー作戦(Ivy Mike)」の爆発後に採取された放射性降下物(フォールアウト)を分析した結果、原子番号99の未知の元素が発見された。発見したのは、アルバート・ギオルソ(Albert Ghiorso)、グレン・T・シーボーグ(Glenn T. Seaborg)らアメリカの研究グループである。

この発見は国家機密としてしばらく公表されず、1955年になって正式に発表された。アインスタイニウムは、水素爆弾実験によって初めて発見された元素として知られている。

元素名(Einsteinium)は、理論物理学者アルベルト・アインシュタイン(Albert Einstein)に由来している。アインシュタインは相対性理論を提唱し、現代物理学の基礎を築いた人物である。その科学的功績を称え、この元素名が付けられた。

アインスタイニウムは、第7周期・アクチノイド系列に属する超ウラン元素であり、人工的に製造される放射性金属である。電子配置は [Rn] 5f¹¹7s²、価電子数は3個で、通常は+3価を示す。銀白色の金属と考えられているが、強い放射能による自己発熱や結晶構造の損傷(自己照射損傷)が起こるため、その物理的性質を正確に測定することは非常に困難である。

天然には存在せず、現在では主に高中性子束原子炉において、プルトニウムキュリウムなどへ繰り返し中性子を照射することで製造される。しかし製造量は世界でも年間数マイクログラム程度しかなく、極めて希少な元素である。

アインスタイニウムには工業用途はないが、より重い超ウラン元素や超重元素を合成するための出発物質として重要な役割を担っている。1955年には、アインスタイニウム253を標的としてα粒子を照射することにより、原子番号101のメンデレビウムが世界で初めて合成された。現在もアクチノイド化学や核構造研究に欠かせない研究材料となっている。

元   素   記   号   Es
陽      子      数  99
価   電   子   数  3
原      子      量  [252](最も代表的な同位体)
融                点   約860
沸                点   996(推定)
密                度   約8.8(推定)
存      在      度   地球 天然には存在しない    宇宙 確認されていない
代表的な製品 実用製品なし(超重元素合成用標的、アクチノイド化学研究、核物理学研究)
-こぼれ話-

1952年に発見されたアインスタイニウムですが、その化学結合を詳しく測定できたのは約70年後の2021年でした。
理由は単純で、「試料が手に入らなかった」からです。
2021年、バークレー研究所の研究チームは250ナノグラム以下という極めて少量の試料を使い、世界で初めてアインスタイニウムの結合距離などの基本的な化学的性質を測定することに成功しました。

また、アインスタイニウムは、作ることより保存することの方が難しい元素です。
代表的な同位体であるアインスタイニウム253の半減期は約20日しかありません。そのため、ようやく製造・精製が終わった頃には、すでに一部がバークリウムカリホルニウムへ崩壊し始めています。
つまり研究者は、「完成した瞬間から消えていく元素」を相手に実験をしているのです。

 

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