鋳造用語集

メンデレビウム
Mendelevium

1955年、アメリカ・カリフォルニア大学バークレー校のアルバート・ギオルソ(Albert Ghiorso)、グレン・T・シーボーグ(Glenn T. Seaborg)、グレゴリー・チョピン(Gregory Choppin)、バーナード・ハーベイ(Bernard G. Harvey)、スタンリー・G・トンプソン(Stanley G. Thompson)らの研究グループは、アインスタイニウム253にα粒子(ヘリウム原子核)を照射し、原子番号101の元素を世界で初めて合成した。

この実験では、わずか17個程度の原子しか生成されなかったが、その崩壊系列を解析することで新元素であることが確認された。これは、人類がわずか数十個の原子だけで新元素を発見した最初の例として科学史に残っている。

元素名(Mendelevium)は、ロシアの化学者**ドミトリ・イワノヴィチ・メンデレーエフ(Dmitri Ivanovich Mendeleev)に由来している。メンデレーエフは1869年に周期表を発表し、未知の元素の存在を予言するなど、現代化学の基礎となる周期律を確立した人物である。その偉業を称え、この元素名が付けられた。

メンデレビウムは、第7周期・アクチノイド系列に属する超ウラン元素であり、人工的に製造される放射性金属である。電子配置は [Rn] 5f¹³7s²、価電子数は3個で、通常は+3価を示すが、アクチノイド後半では珍しく+2価も比較的安定に存在することが知られている。銀白色の金属と考えられているが、製造量が極めて少ないため、金属状態での性質は十分には解明されていない。

天然には存在せず、高中性子束原子炉で生成したアインスタイニウムを標的として、加速器からα粒子を照射することによって製造される。現在までに得られた総量は極めて少なく、工業用途は存在しない。

メンデレビウムは、アクチノイド後半の電子構造や化学的性質を調べる重要な研究対象であり、超重元素合成技術の発展にも大きく貢献している。現在も核物理学や放射化学、超重元素研究において重要な役割を担っている。

元   素   記   号   Md
陽      子      数  101
価   電   子   数  3
原      子      量
融                点   約827(推定)
沸                点   約1700(推定)
密                度   約10.3(推定)
存      在      度   地球 天然には存在しない    宇宙 確認されていない
代表的な製品 実用製品なし(アクチノイド化学・核物理学・超重元素研究用)
-こぼれ話-

メンデレビウムは、「たった17個の原子から発見された元素」として知られています。
1955年の発見実験では、標的となるアインスタイニウム自体が極めて貴重であり、照射実験によって生成されたメンデレビウムは、わずか十数個の原子しかありませんでした。
研究者たちは、その数個から十数個の原子が放出する放射線を一つひとつ測定し、崩壊系列を解析することで、新しい元素であることを証明しました。
現在では1個の原子からでも超重元素を発見する技術が確立されていますが、「極微量の原子だけで新元素を証明できる」ことを世界で初めて示した元素がメンデレビウムでした。
この成果は、超重元素研究の新しい時代を切り開いた歴史的な出来事として、現在でも高く評価されています。

 

鋳造用語 索引

 

© 2026 吉田キャスト工業株式会社 Powered by AFFINGER5