鋳造用語集

共晶金属(きょうしょうきんぞく)
Eutectic Metal / Eutectic Alloy

共晶現象を利用して作られた合金、または共晶する合金。
複数の金属を混ぜ合わせ、共晶点の組成比にすることで、純粋な金属よりも低い温度で溶融・凝固させることができる。
これにより、鋳造や接合が容易になるため、はんだや低融点合金など、幅広い用途で利用されている。

■  主な共晶金属と用途

■  はんだ(鉛 - 錫合金)
鉛とスズを混ぜると、純粋な鉛(融点327℃)やスズ(融点232℃)よりも低い、約183℃で溶ける特定の組成(共晶点)が存在する。この性質を利用することで、電子部品を熱に弱い基板に低い温度で接合することが可能になる。
■  アルミニウム - シリコン
自動車のエンジン部品やホイールなどに広く使われている。アルミニウムとシリコンの融点はそれぞれ約660℃と約1414℃だが、共晶組成(約12.6%のSi)では融点が約577℃まで下がる。これにより、複雑な形状の部品を低い温度で鋳造することが可能になる。
■  ウッドメタル
ビスマス、鉛、スズ、カドミウムからなる共晶合金。融点が約70℃と非常に低く、火災報知器のスプリンクラーの作動部品などに利用される。熱で溶けて弁を開放し、水を散布する仕組み。
■  ガリンスタン
ガリウム、インジウム、スズからなる共晶合金で、室温では液体。水銀の代替品として、体温計や医療機器などに使われている。
■  共晶タイボンディング材
金(融点1064℃)とシリコン(融点1414℃)の共晶組成(約3.4%のSi)では、融点が約363℃まで下がる。この低い融点を利用して、ICチップを基板に接合する「共晶ダイボンディング」という技術に用いられている。
■  銀ロウ
銅28% - 銀72%の合金。融点がもっとも低い780℃となる。この組成は、ロウ付けの際に溶融と凝固が単一の温度で起こるため、非常に優れた作業性を提供する。尚、ロウ材にはさらに融点を低くするため、亜鉛や錫などを添加した銀ロウがある。以前ではカドミウムが広く使われていたが、毒性があるため現在ではカドミウムフリーとなっている。

 

 

 

 

 

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