鋳造用語集

フィレット
Fillet

機械設計や鋳造、建築などの分野において、2つの面が交わる鋭角な角を、丸みを帯びた曲線(円弧)に置き換える加工や形状を指す。

フィレットの主な役割

フィレットは単なる装飾ではなく、複数の重要な役割を果たす。

■  応力集中の緩和
鋭角な角は、力が加わった際にその一点に応力が集中し、破損や亀裂の原因となる。
フィレットで角を丸めることで、応力をより広い範囲に分散させ、部品の強度を高める。

  鋳造欠陥の抑止
鋳造では、角部の表面積が体積に比べ小さくなるため、単位時間の冷却が遅くなる。
また、鋭角な角では流体の流動性の妨げとなり、合流や分岐地点では乱流の原因となる。
フィレットで角を丸めることで表面積を広げ、放熱効率を向上させることにより、ホットスポットの発生を抑止し指向性凝固を確保する。
また、溶けた金属の乱流を防ぐことにより気泡の巻き込みを防ぐ。

■  安全性向上
鋭い角は、部品を扱う作業者や製品のユーザーにとって怪我の危険性をはらむ。
フィレットは怪我を防ぎ、安全性を確保する。

■  加工性の向上
機械加工において、鋭角な角は工具の摩耗を早めたり、加工が困難になったりすることがある。
フィレットを設けることで、加工が容易になり、生産効率が向上する。

 

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