侵入型溶質元素(しんにゅうがたようしつげんそ)
Interstitial Solute
溶媒原子の結晶格子が作るすきま(間隙、格子間サイト)に侵入して入り込む元素。溶媒原子の位置は置き換えない。
溶媒原子に比べて非常に小さい(通常、溶媒原子の直径の約40%以下)場合、結晶格子間の隙間に収まり、溶質元素が固溶し侵入型固溶体になる。
しかし、溶質原子が格子間のすきまに侵入すると、周囲の溶媒原子の結晶格子が歪み、大きな内部応力が発生する。
この歪みエネルギーが高くなりすぎると、それ以上の溶質原子の侵入は熱力学的に不安定になるため、溶質がわずかしか溶け込めない(固溶限が低い)状態になる。
したがって、溶質原子がいくら小さくても、その組成が固溶限を超えると、侵入型固溶体ではなく、溶質と溶媒の別な相、例えば金属間化合物や純粋な溶質が析出して二相組織となる。
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