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吉田キャスト工業株式会社

鋳造用語集

ヨ ウ 素(ようそ)
Iodine

1811年、フランスの化学者ベルナール・クルトワは、海藻灰から硝石(硝酸カリウム)の原料を製造する過程で、硫酸を加えた際に紫色の蒸気を発生する未知の物質を発見した。その後、この物質はジョゼフ・ルイ・ゲイ=リュサックやハンフリー・デービーらによって新元素であることが確認され、「ヨウ素(Iodine)」と命名された。

*海藻灰(かいそうばい)
アラメやカジメなどの海藻(褐藻類)を乾燥させ、焼き払って作った灰のこと。カリ肥料のほか、ヨウ素(ヨード)やカリウム塩を取り出す原料として利用される。英語では「ケルプ(Kelp ash)」とも呼ばれる。

英語名 Iodine は、ギリシャ語で「紫色」を意味する ioeidēs(ἰοειδής)に由来する。これは、ヨウ素を加熱した際に生じる美しい紫色の蒸気にちなんで名付けられたものである。

ヨウ素は光沢のある黒紫色の固体で、常温では安定しているが、加熱すると液体を経ずに昇華し、特徴的な紫色の蒸気となる。この性質は元素の中でも特に知られており、ヨウ素の識別にも利用されている。
天然では単体として存在することはほとんどなく、海水や海藻、地下かん水、チリ硝石などにヨウ化物やヨウ素酸塩として存在する。

化学的には17族(ハロゲン元素に属し、フッ素、塩素、臭素と同様に反応性を持つが、その中では比較的穏やかな性質を示す。通常は-1価のヨウ化物イオンとして存在するほか、酸素と結合したヨウ素酸塩など様々な化合物を形成する。

*ハロゲン元素
元素周期表の第17族に属する非金属元素【フッ素(F)・塩素(Cl)・臭素(Br)・ヨウ素(I)・アスタチン(At)・テネシン(放射性人工元素(Te)】の総称。
単体はいずれも強い毒性や刺激臭を持ち、体内に取り込んだり皮膚についたりすると危険。
ギリシャ語で「塩(えん)を作るもの」を意味する語に由来しており、金属と反応して多くの塩(えん)をつくる性質を持っている。

ヨウ素は人体にとって必須元素であり、甲状腺ホルモンの構成成分として代謝や成長、神経機能の維持に欠かせない。不足すると甲状腺腫や発育障害などを引き起こすため、多くの国では食塩へのヨウ素添加(ヨウ素添加塩)が行われている。

工業分野では、ヨウ素は医療用消毒剤、造影剤、医薬品、液晶ディスプレイ用偏光フィルム、触媒、写真薬品など幅広い用途を持つ。また、高純度ヨウ素は半導体や分析化学分野でも重要な材料となっている。

現在、ヨウ素は生命活動に不可欠な元素であるとともに、医療・電子材料・化学工業を支える重要なハロゲン元素として広く利用されている。

元   素   記   号   I
陽      子      数   53
価   電   子   数   7
原      子      量   126.90447
融                点   113.7
沸                点   184.3
密                度   4.93
存      在      度   地殻  約0.45 ppm / 宇宙 約0.003 ppm
代表的な製品  医療用消毒剤、X線・CT造影剤、甲状腺治療薬、液晶ディスプレイ用偏光フィルム、触媒、分析試薬

-こぼれ話-
ヨウ素は日本が世界有数の生産国であることをご存じでしょうか。
千葉県を中心とした地下かん水には世界でも有数の高濃度ヨウ素が含まれており、日本はチリと並ぶ主要生産国として世界市場を支えています。
また、ヨウ素は加熱すると液体をほとんど経ずに「美しい紫色の蒸気へと変化昇華」します。この幻想的な現象は化学実験でもよく紹介され、元素名「Iodine」の由来にもなった特徴的な性質として知られています。

 

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