正常偏析(せいじょうへんせき)
Normal Segregation
しばしば、正の偏析とも呼ばれる。
凝固現象に伴って生じるマクロ偏析(巨視的、つまり鋳造品やインゴットなどの全体的な組成の不均一)の一種。
合金が凝固する際、最後に凝固する部分(インゴットや鋳物の中心部や上部)に、融点の低い成分や不純物元素が濃縮される現象。
逆に、最初に凝固が始まる部分(鋳型の内壁近傍)には、融点の高い成分が多くなる。
■ メカニズム
凝固プロセスにおいて、結晶が成長する際、融点の高い成分が先に固相に取り込まれ、残った液相には融点の低い成分が押し出される(濃縮される)ために起こる。
正常偏析と逆偏析の比較
正常偏析は、逆偏析の現象的な反意語として捉えられ、主な違いは、融点の低い成分が濃縮される場所が異なる。
| 偏析の種類 | 正 常 偏 析 | 逆 偏 析 |
| 成分が濃縮される場所 | 鋳物の中心部や上部 (最後に凝固する部分) | 鋳物の表面部や外周部 (最初に凝固する部分の近く) |
| 概 要 | 外側から内側への凝固の進行に伴い、液相中の溶質が中心に押しやられる。 | 凝固収縮などにより、濃縮された液相が固相の隙間や表面に逆流することで発生する。 |
鋳造用語 索引
