鋳造用語集

パーライト
Pearlite

鉄鋼材料の組織の一種で、フェライトセメンタイトという2つの異なる組織が層状に並んでできたもの。
その光沢が真珠(pearl)に似ていることから、この名前が付けられた。

  性質と役割
パーライトは、フェライトとセメンタイトの両方の組織をもつため、柔らかさと硬さの両方の特性を兼ね備えている。

①  フェライト :  柔らかく、延性(伸びる性質)に優れている。
②  セメンタイト : 非常に硬く、の硬度を決定づける主要な要素となる。

これらの組み合わせにより、パーライトは適度な強度と靭性(粘り強さ)を持つバランスの取れた組織となる。
鉄鋼材料の熱処理では、このパーライト組織を形成させることで、加工しやすく、かつ強度を持つ材料を作り出す。

形成のメカニズム

パーライトは、鉄鋼が共析点(約727℃)以上の温度からゆっくり冷却される過程で形成される。
この温度で存在するオーステナイト(高温で炭素が均一に溶け込んだ組織)が、冷えることで安定した2つの相、つまり柔らかいフェライトと非常に硬いセメンタイトに同時に分解し、交互に重なる層状の組織になる。
この現象を共析変態と呼ぶ。

 

 

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