ケ イ 素 (けいそ)/ シリコン
Silicone
ケイ素は、原子番号14の元素であり、周期表では第3周期・第14族に属する半金属(メタロイド)元素である。1824年、スウェーデンの化学者ヨンス・ヤコブ・ベルセリウスは、フッ化ケイ素を金属カリウムで還元することにより、初めて比較的純粋なケイ素の単離に成功した。元素名(Silicon)は、ラテン語で「火打石」を意味する「Silex(Silicis)」に由来している。
ケイ素は天然では単体としてほとんど存在せず、石英(二酸化ケイ素:SiO₂)や長石、雲母などのケイ酸塩鉱物として広く存在している。地球内部は、外側から地殻・マントル・核の三層に大きく分けられるが、このうち地殻とマントルの大部分はケイ素を含む鉱物によって構成されている。
特に地殻では、酸素に次いで2番目に多い元素であり、重量比で約27.7%を占める。酸素と合わせると地殻全体の約75〜80%を構成しており、地球を形づくる最も重要な元素の一つである。
ケイ素は代表的な半導体元素として知られている。電気伝導性は金属ほど高くなく、絶縁体ほど低くもない中間的な性質を示し、光の有無、温度、不純物(ドーパント)の種類や量によって大きく変化する。特に温度が高くなるほど電気を通しやすくなるという特徴があり、この性質を利用してトランジスタやLSI(大規模集積回路)、CPU、メモリなどが製造されている。現在では、コンピューターやスマートフォン、自動車、家電製品など、あらゆる電子機器に利用されており、まさに現代のエレクトロニクス社会を支える元素となっている。
ケイ素は用途によって、大きく次の三つの形態で利用されている。
■ 天然に存在する鉱物(ケイ素酸塩鉱物)を加工したもの
ガラス、陶磁器、セメント、耐火物、シリカゲル(乾燥剤)など
■ ケイ素単体で利用されるもの
半導体、太陽電池、シリカ系埋没材(ロストワックス鋳造/ブロックモールド法の高融点金属鋳造用)、高純度シリコンウエハーなど
■ 化学的に処理し、炭素と結合させたもの(有機ケイ素化合物)
シリコーンゴム、シリコーンオイル、ワックス、離型剤、消泡剤、耐熱シール材、耐溶剤ホース、人工血管、ソフトコンタクトレンズ、電気絶縁材料など
ケイ素は、建築材料から最先端の半導体、さらには医療材料に至るまで極めて幅広い用途を持ち、人類の生活や産業を支える基幹元素として欠かせない存在となっている。
| 元 素 記 号 | Si |
| 陽 子 数 | 14 |
| 価 電 子 数 | 4 |
| 原 子 量 | 28.0855 |
| 融 点 | 約1410 |
| 沸 点 | 約3265 |
| 密 度 | 2.3296 |
| 存 在 度 | 地球 277000 ppm 宇宙 650 ppm(質量比/宇宙で8番目に多い元素) |
| 代表的な製品 | 半導体、CPU、メモリ、太陽電池、ガラス、陶磁器、セメント、シリカゲル、シリコーンゴム、耐熱シール材 |
石からコンピューターをつくる元素
半導体の原料となるシリコンは、石英(SiO₂)を高純度まで精製して作られます。つまり、海岸の砂や岩石に含まれるケイ素が、精密な加工と精製を経て、スマートフォンやパソコンのCPUへと生まれ変わるのです。
また、現在の半導体用シリコンは99.999999999%以上(イレブンナイン:11N)という極めて高い純度まで精製されます。もし不純物がわずかに多いだけでも半導体として正常に動作しなくなるため、この超高純度シリコンを製造する技術は、日本をはじめ限られた企業だけが持つ高度な技術となっています。
鋳造用語 索引
