【ビギナー編】鋳造用ゴムカットの3つのポイント

加硫が完了したゴム型を2つにカットして、ゴム型に埋め込まれた原型を取り出す作業を『ゴム(型)カット』といいます。ゴムカットは、大きく分けて4つの工程に分けられます。

  1. ゴム型の外周カット
  2. ゴム型の2枚おろしカット
  3. 中子の切り分け
  4. エアーベントの取り付け

 

ここでは、最も単純な形状の『平打ちリング』を例にとってゴム型カットのポイントをご説明します。

※ゴムカット前の原型の埋め込みや熱加硫方法は『【ビギナー編】鋳造用シリコンゴムの加硫(硬化)方法』をご覧ください。

 

ゴム型の外周カットの基本

ゴム型を2つに割るため、アルミ枠から取り出したゴム型の外周に浅い切り込みを入れます。基本的にこの見切り線(切断面)はゴム型の半分(厚みの1/2)です。

半分に割ったゴム型は、便宜上『上部』と『下部』と呼び分けます。上部と下部の見切り線をカットする際のメス刃の深さは約5mm程度です。

上の図のように、外周の切り込みは上部と下部がズレないようにクサビ型や波型にします。

決まりはありませんが、上部と下部がしっかり合うようにカットすることが重要です。

『波型』の一例

『クサビ型』の一例

※外周の見切り線はゴム型の厚みの約半分ですが、内部は原型の形状により厚みを変えて切断します。

ポイント

外周の見切り線は、ゴム型の厚みの1/2
ズレ防止のために『波型』『クサビ型』にカット

グラフで特徴が一目で分かる!

シリコンゴムの品質と特徴をチェック

ゴム型の2枚おろしの方法

ゴム型を開きながら上部と下部に切り分けます。ゴム型を縦に湯道側を上にして内部を切っていきます。

 

ゴムの開き方はこちら

【ビギナー編】鋳造用ゴム型の開き方と姿勢について

ゴム型のカットは、右利きの人の場合には右手にメスを持ち、左手でゴム型を開きます。 左手の『親指と人差し指』か、もしくは『親指と中指』を使って開きます。 推奨する開き方は『親指と中指』です。 &nbsp ...

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下の図の番号は、カットする順番を示しています。(カット時のメスの切り込み深さは5mm程度)

ポイント

  1. 左右を均等に切り進めます。
  2. 内側より外側が先行するように切断面は『平行はなく、外側に向けて多少斜めに勾配をつけます。この勾配の角度を逆にするとゴム型が充分に張られないため『白いライン』が出にくくなります。
  3. 内側は『ズレ防止』のため、外側同様に平面ではなく波型や、部分的にクサビ型に切ります。

 

ポイント

湯道の方向から左右順番にゴム型をカット
ゴム型内部にもズレ防止を設ける

 

原型の見切り線の決め方

ゴム型を2つに割る際、見切り線をどこにするか予め検討しておく必要があります。

インジェクションワックスを射出すると、ゴム型の見切り線には必ずパーティングラインが現れます。このラインはワックス型の段階で修正を行います。

つまり、原型のテクスチャーなど修正が困難な場所は避け、角などの修正の行いやすい場所を選ぶといいでしょう。

 

下の図の赤いラインは、上部と下部に分ける見切り線の基本的な場所です。

湯道部は湯道の真ん中で切り分けます。

リング部は上部にアンダーカットができない場所に見切り線を決めカットします。

ゴム型上部

ゴム型下部

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指輪の腕の形状により適切な見切り線の場所が変わります。「甲丸リング」や「シノギ型リング」など、平打ち以外の場合の見切り線は下の図のようになります。

『A』は甲丸、『B』は平打ち、『C』はシノギ状の場合です。

赤いラインが上部と下部を分ける見切り線、青色の部分はゴム型の下部、そして見切り線より上の黄土色の部分はゴム型の上部です。

アンダーカット

A.甲丸やC.しのぎ状の場合、B.平打ちのように見切り線をリングの幅と同じ場所でカットするとアンダーカットとなり、ワックス型を取り出す際にゴムが引っかかってしまいます。

赤の斜線部分がアンダーカット

 

実際は『A』『B』『C』以外の形状もあり、アンダーカットが発生する形状が多くあります。

回避方法として、アンダーカット部分をゴム型本体から切り離して、ゴム型パーツとして埋め込む方法があります。ゴム型パーツの作製方法は別記事でご紹介します。

ポイント

アンダーカットが発生しない位置・
パーティングラインの修正が簡単な位置に見切り線を設定

 

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