鋳造用語集

析出硬化変態(せきしゅつこうかへんたい)
Precipitation Hardening Transformation

時効硬化と同義。
典型的な拡散型変態
時間と共に金属が好ましく硬くなること

プロセス

①  固溶化処理
合金を高温に加熱して、溶質元素(硬化に寄与する原子/この場合、種に炭素)を母相(主成分の金属)の中に完全に溶け込ませる。
この事により、原子が拡散して均一な固溶体となる。

②  急 冷
溶体を急冷焼き入れ)することで、溶質原子を過飽和な状態で母相の中に閉じ込める。
この状態では、まだ硬さは増していない。

③  時効処理
急冷した合金を、比較的低い温度で長時間保持する。
この温度では、溶質原子がゆっくりと拡散し、結晶格子の中に非常に微細な析出物(別の相の粒子)を形成させる。
このナノスケールの析出物が、転位(原子配列のずれ)の動きを妨げることで、材料の強度や硬さを大幅に向上させる。

 

 

 

 

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