アルカリ金属(あるかりきんぞく)
Alkaline Metals
アルカリ金属とは、周期表の第1族(Group 1)に属する金属元素の総称である。ただし、第1族の水素(H)は非金属であり、化学的性質が大きく異なるため、通常はアルカリ金属には含めない。
アルカリ金属は、天然では単体として存在することは殆どなく、鉱物や塩(えん)として存在する。
元素名の「アルカリ」は、これらの元素が水と反応して強いアルカリ性(水酸化物)を示すことに由来している。
アルカリ金属の共通点
■ 銀白色のやわらかい金属。
■ 周期表では第1族に位置する。
■ 最外殻電子1個を失いやすく、ほぼ例外なく+1価の陽イオンとなる。
■ 最外殻電子2個を失って陽イオンになりやすいため、ほぼ例外なく酸化数は+2価となる。
■ 比重が小さい。
■ 融点・沸点が比較的低い
■ 電気・熱をよく伝える。
■ 金属中で最も反応性が高い。
■ 空気中で容易に酸化されやすい。
■ 水と激しく反応して水素を発生する。
■ 水酸化物は強いアルカリ性を示す。
周期表の下に行くほど・・・
■ 原子半径は大きくなる。
■ イオン半径も大きくなる。
■ 融点は低くなる。
■ 化学反応性は高くなる
例えば、リチウムは比較的穏やかに水と反応するが、ナトリウムは激しく反応し、カリウムでは発生した水素に着火することがある。ルビジウムやセシウムでは、水と接触すると爆発的に反応する。
種類と用途
| アルカリ金属の種類と主な用途 | |
| リチウム(Li) | リチウムイオン電池・軽量金属・耐熱ガラス・グリース ■ アルミニウム・マグネシウム合金の添加材 |
| ナトリウム(Na) | 食塩・ソーダガラス・苛性ソーダ・化学工業 ■ フラックス原料のひとつ |
| カリウム(K) | 肥料・火薬・ガラス・衣料品 ■ 一部の鋳型材料や耐火材量の原料となる鉱物に含まれる |
| ルビジウム(Rb) | 原子時計・真空管・光電子材 |
| セシウム(Cs) | 原子時計・石油掘削液・光電管・放射線測定機 |
| フランシウム(Fr) | 原子物理学研究 |
アルカリ金属は、「ナイフで切れる金属」として知られています。
鉄や銅などの金属は非常に硬いイメージがありますが、アルカリ金属のリチウム・ナトリウム・カリウムは非常に柔らかく、ナイフで簡単に切ることができます。切断すると、内部には銀白色の金属光沢が現れます。
しかし、その美しい光沢は空気中ですぐに酸化して失われてしまいます。そのため、実験室では酸素や水分との反応を防ぐため、灯油や流動パラフィンなどの油の中で保存されるのが一般的です。
つまりアルカリ金属は、「最も反応性が高い金属」であると同時に、「最も丁寧な保管が必要な金属」でもあるのです。
また、アルカリ金属は、炎の色だけで元素を見分けられる元素として知られています。
例えば、
■ リチウム:深紅色
■ ナトリウム:黄色
■ カリウム:淡紫色
■ ルビジウム:赤紫色
■ セシウム:青紫色
というように、それぞれ異なる色の炎を発します。
これは「炎色反応」と呼ばれる現象で、電子が励起された後、元の状態へ戻る際に固有の波長の光を放出するためです。
現在でも花火や元素分析などで利用されており、100年以上前から使われ続けている分析方法の一つです。
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