鋳造用語集

結晶格子(けっしょうこうし)
Crystal Lattice

『結晶は、原子・分子・イオンで3次元的に規則正しく配列する固体物質を指し、「イオン結晶」「共有結合の結晶」「分子結晶」「金属結合結晶」の4種類に分類できる。
結晶格子は、この結晶粒子の配列が周期的に規則正しく格子状に並んだ固体物質の構造。
この規則正しい配列パターンの繰り返しの最小単位を単位格子とよぶ。』
(化学のグルメより抜粋)

この結晶格子が、特定の規則に従って配列する格子を規則格子とよぶ。
一方、固体ではるが、原子や分子が不規則に密集して結晶構造をとらないものを「アモルファス(非晶質)」と呼ぶ。

プラベー格子の結晶格子の種類
立方晶格子/ Simple Cubic各軸が等しく、角度は90度
体心立方格子 / Body-centered Cubic 各軸が等しく。体心(中心)に原子が1つ存在。
面心立方格子 / Face-centered Cubic各軸が等しく、各面の中心に原子が1つ存在
単純正方格子 / Simple Tetragonal2軸が等しく、残りの1軸が異なり、角度は90度
体心正方格子 / Body-centred Tetragonal2軸が等しく、残りの1軸が異なり、体心(中央)に原子が1つ存在
単純斜方格子 / Simple Orthorhombic3軸が全て異なり、角度は90度
体心斜方格子 / Body-centered Orthorhombic3軸が全て異なり、体心(中央)に原子が1つ存在
面心斜方格子 / Face-centered Orthorhombic3軸が全て異なり、各面の中心に原子が1つ存在
底心斜方格子 / Base-centered Orthorhombic3軸が全て異なり、底面の中心に原子が1つ存在
単純単斜格子 / Simple Monoclinic2軸が異なり、角度が90度ではない
底心単斜格子 / Base-centered Monoclinic2軸が異なり、底面の中央に原子が1つ存在。角度が90度ではない
単純三斜格子 / Simple Triclinic3軸が全て異なり、角度も全て異なる
単純六方晶格子 / Simple Hexagonal1軸が異なり、残りの2軸が等しく、角度は120度
単純三方晶格子 / Simple Trigonal3軸が等しく、角度が等しくない

代表的な金属結晶構造とその特性

体心立方格子構造 / Primitive Lattice

立方体の8つの頂点と、立方体の中心に1つずつ原子が配置される。原子と原子の密度が面心立方格子などより低いため、構造上は原子間に隙間がある状態。
この構造を持つ金属は一般的に展性や延性が低いとされるため、加工塑性を向上させるため、他の合金元素が添加される。
鉄の場合、室温では体心立方格子構造を取るが、高温で面心立方格子構造に変態することが知られている。

 
面心立方格子構造 / Body-centered Lattice 

立方体の8つの頂点と、6つの面の中心に各1個ずつの原子が配列される構造。充填率は74%でもっとも原始密度が高い結晶構造。
各原子は12個の他の原子と接触していて、結晶のすべり面が多いため、すべりが発生しても、次の元素で充填されるため加工性に富む金属。また、熱の伝達性に優れ、光の反射率が高いため金属色に富む。

 
六方最密構造 / Face-centered Lattice

単純六方格子の結晶格子では、上面と底面に原子が存在するが、最密構造の場合、六方柱の内部で高さ1/2のところに3つの原子が存在する。
充填率は面心立方格子構造と同じく74%で最も原子が詰まった配列をなす。
この構造をとる金属は金属のすべり面の数が限られているため、常温では塑性変形しにくい特徴がある。また、この構造を持つ金属は硬くて脆い特性がある。

 

 

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