電気陰性度(でんきいんせいど)
Electronegativity
不純物原子と主成分原子がどれだけ結合しやすいかの尺度。
凝固プロセスにおける不純物原子の振る舞い(固溶度や偏析)を予測することができる。
電気陰性度の差が大きいほど、不純物原子は主成分原子の結晶格子に収まりにくく、固相から排除されやすくなる傾向がある。
一般的に金属は電気陰性度が低く、電子を失いやすい性質を持つ。
冶金学では、複数の異なる金属を混ぜて合金を作る際、その性質を予測するために電気陰性度の概念が使われる。
固溶体形成の予測
合金を形成する2つの元素の電気陰性度の差が小さい場合、互いの原子が均一に混ざり合いやすく、固溶体を形成しやすい傾向がある。
これは、両者が電子を同程度に引き付けるため、安定した金属結合が形成されるためである。
逆に、電気陰性度の差が大きい場合は、一方が電子を強く引き付け、もう一方から電子を奪う形で金属間化合物が形成されることがある。
これは、特定の化学式を持つ結晶構造を形成し、しばしば合金の性質を大きく変える原因となる。
凝固組織の予測
合金が溶融状態から凝固する過程で、不純物(溶質)の原子の振る舞いを予測するのに電気陰性度は役立つ。
主成分(溶媒)の原子と不純物原子の電気陰性度の差が大きいと、不純物原子は主成分の結晶格子に収まりにくくなる。
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