木 目 金(もくめがね)
Mokume Gane / Wood-grain Metal / Pattern-welded Mixed-metal
江戸時代から伝わる日本独自の金属加工技術。
異なる色の金属(色金)を何枚も重ね合わせ、彫りや捻りを加えることで、まるで木目のような美しい模様を描き出す技術及び作品群。煮色仕上げ(にいろしあげ)の技術や象嵌(ぞうがん)とともに、日本を代表する金属伝統工芸のひとつ。
木目金は、江戸時代初期(約400年前)に出羽秋田住の正阿弥伝兵衛(しょうあみ でんべえ)という鍔(つば)職人によって考案されたと言われている。
もともとは日本刀の「鍔」や「小塚」といった刀装具を飾るための技術で、 明治時代の「廃刀令」により刀の需要が激減したことで、一度は途絶えかけ「幻の技術」と呼ばれた時期もあった。
近年、その独特の美しさが再評価され、ジュエリーや工芸品の世界で見事に復活を遂げている。
金属を「織る」ようプロセス
木目金は、ただ色を塗っているわけではない。非常に手間のかかる工程を経て作られている。
■ 積 層
金、銀、銅、赤銅、四分一(銅、銀、金の合金)など、色の異なる金属板を何枚も重ねる。
■ 接 合
接着剤を使わず、熱と圧力を加えて分子レベルで結合させる「クラッド(拡散接合)」という高度な技法を用いる。
■ 加 工
合体した金属の塊を叩いて伸ばし、表面を鏨(たがね)で斫(はつる/彫る)ったり、ねじったりする。
■ 模様出し
彫った部分をさらに叩いて平らにすると、内側の層が表面に現れ、複雑な木目模様が浮かび上がる。
木目金の魅力
■ 唯一無二の模様
職人の力加減や削り方によって模様が変わるため、世界に二つと同じものが存在しない。
■ 色のコントラスト
日本古来の合金(赤銅や四分一など)を使うことで、落ち着いた渋みのある色彩表現が可能。
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