鋳造用語集

単結晶鋳造法
Single Crystal Casting

単結晶鋳造法の核心は、指向性凝固を極限まで制御した鋳造技術。
具体的には、溶融金属が非常に低い冷却速度と高い温度勾配のもとで凝固するように、特殊な鋳型と加熱システムを使用する。

 

単結晶鋳造でもとめられる鋳造機の仕様

  種結晶 (Seed Crystal)
鋳型底部に、目的とする結晶方位を持つ小さな単結晶を配置する。これは、他のすべての部分が同じ結晶方位で成長するための「種」となるため、つまり、溶融状態から固体へと変化する物質に対して、原子がどのように並ぶべきかという「テンプレート」の役割を果たすため、成長させる物質の結晶構造と同じ結晶構造(例えば、面心立方格子など)を持つ原子を選択しなければならない。
また、特定の性能を最大化するために、結晶方位(原子が特定の方向に沿って並ぶこと)を厳密に制御する必要がある。

  鋳 型Casting Mold
底部から上部への温度勾配を維持しやすくするため、セラミック製の鋳型が使われる。
この鋳型は、金属の熱を効率的に外部に逃がさないように熱的に絶縁されてる必要がある。

■  加熱システムHeating System)
誘導加熱抵抗加熱が可能な真空炉が使われる。
炉内は、金属の酸化を防ぐため、不活性ガス 雰囲気または真空に保たれ、炉には、鋳型全体を加熱するメインの加熱ゾーンと、凝固を制御する冷却ゾーンが設けられている。

  冷却システムCooling System
鋳型を置く台座は、水冷式の銅板などでできており、ここから熱が効率的に外部へ放出されます。これにより、鋳型の下部と上部の間に、非常に大きな温度差、高い温度勾配G / Temperature Gradient)と低い冷却速度R / Solidification Rate)が生まれる。

これらのシステムを組み合わせることで、溶融金属は制御された条件下でゆっくりと究極の平面凝固が生まれ、最終的に結晶粒界のない単結晶構造が形成される。

 

 

鋳造用語 索引

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