鋳造用語集

ウッドメタル
Wood's Metal

約70℃というきわめて低い融点を持つ共晶合金。お湯(温水)につけるだけで容易に溶けて液体になる性質を持っている。
名称は発明者であるアメリカの物理学者ロバート・ウィリアム・ウッド(Robert W. Wood)に由来する。

ウッドメタル  Wood's Metal
組成(標準)ビスマス (Bi) 50%,/ 鉛 (Pb) 26.7%/スズ (Sn) 13.3%/カドミウム (Cd)  10%
融  点約70 - 72℃
沸  点約765℃でカドミウムの蒸気化が始まり、1500℃以上で全成分が気化
比  重9.67-9.7
銀灰色
電気伝導率約18.8W/(m-K)
熱伝導率約3.5 - 4.0% IACE

用 途

防災・安全装置:消防用スプリンクラーの感温弁(熱を受けると合金が溶けて散水が始まる仕組み)や温度ヒューズ(安全遮断器)

加工補助材:薄肉のパイプを曲げ加工する際、内部に詰めて潰れを防ぐ「芯材(フィラメタル)」や精密鋳造における中子(なかご)材や、熱に弱い工作物の固定用接着材 

医療・研究・実験:放射線治療における個別形状の遮蔽ブロックや理化学実験、および教材(低温で溶ける金属のデモンストレーション)

注意点

有害物質である鉛(Pb)およびカドミウム(Cd)を含んでいるため、直接皮膚に触れたり、溶融時の蒸気を吸い込んだりしないよう注意が必要。
このため、近年はRoHS指令などの環境規制に伴い、カドミウムフリー・鉛フリーの代替低融点合金(ビスマス-インジウム系など)への置き換えが進んでいる。

 

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