フェライト系ステンレス鋼(ふぇらいとけいすてんれすこう)
Ferrite Stainless Steel
常温でフェライト相(体心立方格子構造)を持つステンレス鋼の一種である。
フェライト相とは、911℃以下の純鉄の変態点で、常温の鉄/炭素合金においても存在する。 共析温度である727℃で最大固溶限の0.0218%まで炭素を固溶できる。
代表的なフェライト系ステンレス鋼は、JIS規格において400番台(SUS400系)に分類される。
最も代表的なものはSUS430で、ニッケルを含まないため安価であり、家庭用品から工業製品まで非常に幅広く利用されている。
フェライト系ステンレス鋼の共通する特徴
■ 磁石につく
オーステナイト系(SUS304など)とは異なり、強い磁性を持つ。
■ コストパフォーマンス
高価なニッケルを含まないため、価格が安定しており比較的安価。
■ 熱膨張が少ない
オーステナイト系に比べて熱による伸び縮みが少ないため、加熱・冷却が繰り返される環境(排気系部品など)に適している。
■ 耐応力腐食割れ性
SUS304などが苦手とする「塩化物による割れ(応力腐食割れ)」に対して非常に強い耐性を持つ。
| 名 称 | 特 徴 | 製 品 例 |
| SUS430 | 最も一般的なフェライト系。 耐食性と成形性のバランスが良く、磁性がある。 | 厨房機器(シンク、鍋)、家庭電化製品(洗濯機ドラム)、建築内装、自動車モール |
| SUS409L | クロム含有量を抑え、チタンを添加して溶接性を高めた経済的な鋼種。 | 自動車排気系部品(マフラー、エキゾーストマニホールド) |
| SUS430LX | SUS430にチタンやニオブを添加。 溶接部や加工後の耐食性を改良。 | 温水器タンク、ソーラーシステム部品、燃焼機器 |
| SUS444 | 高クロム・高モリブデン。SUS304と同等以上の耐食性(特に耐応力腐食割れ性)を持つ。 | 貯水槽、給湯器、熱交換器、海岸付近の建材 |
| SUS410L | 低クロム・低炭素で、溶接後の曲げ加工性や靭性に優れる。 | バス・コンテナのフレーム、LCDモニターの枠、鉄道車両部品 |
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