鋳造用語集

同素変態(どうそへんたい)
Allotropy Transformation

特定の元素が異なる原子配列や結晶構造を持つ、複数の異なる単体となる現象、及び変化する現象、又は、単一の元素が温度や圧力によって結晶構造を変化させる現象です。
これらの単体(同素体)は、同じ種類の原子で構成されているが、性質が大きく異なる。
つまり、ある種類の元素だけで出来ているが、見た目や性質が違う「兄弟」のようなものになる現象を指す。
金属の場合では、特に温度の変化により結晶構造が変わり、それにより特性が大きく変化することを指す

同素変態は、しばしば同素体変化と同義で使われることもあるが、厳密には異なる概念。
「同素変態」は状態や性質を指すのに対し、「同素体変化」はその状態が変わる過程を指す。

鉄の同素変態

同素体を持つ、最も有名なのは鉄で、常温では体心立方格子 (BCC) のアルファ鉄(フェライト)だが、910℃を超えると原子が拡散して面心立方格子(FCC)のγ鉄(ガンマ鉄オーステナイト)に変化する。

この例のように、フェライトからオーステナイトになる変態を同素変態という。

 

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