包析温度(ほうせきおんど)/ 包 析 点(ほうせきてん)
Peritectoid Temperature / Peritectoid Point
材料科学(主に金属工学や熱力学)において、固体どうしが反応して別の新しい固相を作る「包析反応」が起こる特定の温度のことで、特定の組成比(平衡状態図に表される点)とその温度を指す。
金属材料の「平衡状態図」を学ぶ上で非常に重要な不変反応(一定の温度・組成でのみ起こる反応)の一つ。
| チタン・アルミ合金 / Titanium-Aluminum |
| 包析組成:チタニウム-51%/アルミ-49% 共晶点:1285℃(文献により1280℃付近) 高温相である α(alpha)相(hcp構造)と β(beta)相(bcc構造)が反応し、軽量高強度材料として注目される γ(ganma-TiAl相)(面心正方構造) が形成される。 この温度域での熱処理は、ジェットエンジンのブレードなどに使われるチタンアルミ合金の組織(層状組織など)をコントロールする上で非常に重要視されている。 |
| ニッケル - チタン合金/Nickel - Titanium |
| 包析組成:チタンリッチな組成(日常で使われる形状記憶合金【Niが50%付近の組成】の熱処理ではあまり前面に出てこない)。 包析点:630℃ ニッケル・チタン(Ni-Ti)系合金において、約 630℃の包析反応によって新しく生成される包析組成の物質は NiTi2(Ti2Ni) という金属間化合物で、Ti2Ni型構造(大容量の逆スピネル型に類似した複雑な立方晶(Cubic)。この結晶構造は、1つのブラベー格子(単位格子)の中に、なんと合計96個もの原子(チタン64個、ニッケル32個)が含まれる非常に巨大で複雑な立方晶構造をしている。 形状記憶合金として使われるNiTi(B2構造:体心立方ベース)は適度な延性を持つが、この包析反応で生まれる NiTi2は非常に硬くて脆い性質を持ってる。 そのため、実用的な形状記憶合金の製造(チタン含有量が多すぎる場合など)において、この包析組成の結晶が微細に析出してしまうと、材料が脆くなって加工時に割れやすくなる原因になる。材料工学的には「いかにこの相の発生をコントロールするか」が重要なポイントとなる。 |
鋳造用語 索引
