規則格子(きそくこうし)
Ordered Lattice
結晶格子の一種で、特定の規則に従って粒子が配列する格子を指し、「秩序固溶体(秩序変態)」とも呼ばれる。
規則格子には「単純格子」「体心格子」「面心格子」「低心格子」がある。
溶湯が凝固し温度が室温に下がるまでに、原子比が一つおきに配列するなどの簡単な整数比で結晶を作った状態。
規則格子に分類されるものに「超格子/ superlattice」がある。規則格子が自然界に存在する結晶の基本構造であるのに対し、超格子は異なる種類の結晶格子が周期的に交互に配置される構造。通常、人工的な手法により作製され、異なる素材の層を交互に積み重ねることで形成される。
一例として、ある結晶格子がA位置とB位置の2つに区別され、AとBの各位置に特定される元素が優先して占領して規則的な構造をとる。この規則的な配列は、材料の物理的性質に影響を与え、硬さや展延性に変化をもたらすことがある。
例えば、銅 (Cu) - 金 (Au) 合金では、全率固溶体を形成し、CuとAuのモル比が1対1程度の場合、面心立方構造の結晶格子において、面心位置(中央)にCu、格子の各頂点(隅)の位置にAuという規則正しい構造を取る。
つまり、特定の温度以下ではCuとAuの原子が規則的なパターンで配列されることにより、規則格子が形成される。
この結晶は硬くて脆い。
規則格子の種類 | |
単純格子 / Primitive Lattice | 各格子点が一つの原子によって占められている最も単純な格子。 |
体心格子 / Body-centered Lattice | 単位格子の中心と各頂点に原子が配置されるている格子。 |
面心格子 / Face-centered Lattice | 各面の中心と各頂点に原子が配置されている格子。 |
低心格子 / Base-centered Lattice | 二つの対面の面の中心と各頂点に原子が配置されている格子。 |
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