真鍮(しんちゅう)
Brass / Yellow Brass
銅と亜鉛の合金。
真鍮は、規格分類では「黄銅(おうどう/こうどう)」に分類され、一般的に亜鉛20%以上を指す。
古来、日本では真鍮は「鍮石(ちゅうじゃく)または(とうせき)」とよばれ、江戸時代中期より本格的に使われはじめた。
鋳造で使われる一般的な真鍮は、銅:亜鉛の比率が7:3から6:4程度。亜鉛成分が多くなると電解メッキがのりにくくなる。
金管楽器の分野では、銅の含有量により音色に変化があるとされる理由から「レッドブラス」「ゴールドブラス」「イエローブラス」と別称され明確に使い分けをされている。
■ JIS規格による分類
| α(アルファ)黄銅 | (低亜鉛) |
| ■ 亜鉛含有率:亜鉛の含有量が約 35% 以下のもの。 ■ 例:七三黄銅 (Cu70%, Zn30%) や六五黄銅 (Cu65%, Zn35%)。 ■ 特 徴:延性、加工性に優れ、主に冷間加工に使われる。 | |
| α+β(アルファ・ベータ)黄銅 | (高亜鉛) |
| ■ 亜鉛含有率:亜鉛の含有量が約 35% から 45% 程度のもの。 ■ 例:六四黄銅 (Cu60%, Zn40%)。 ■ 特 徴:硬度と強度が高く、主に熱間加工に使われる。 | |
■ 真鍮の種類
| 七三黄銅(ななさんおうどう)(C2600など) | |||
| 組 成 | 亜鉛含有量 | 特 徴 | 用 途 例 |
| Cu 70%: Zn 30% | 約 30% | 展延性、絞り加工性、メッキ性が最も良い。 | カメラ部品、バッジ、端子コネクタ、金管楽器 |
| 六五三五(ろくごうさんごうおうどう)(C2680など) | |||
| 組 成 | 亜鉛含有量 | 特 徴 | 用 途 例 |
| Cu 65%: Zn 35% | 約 35% | 加工性・耐食性に優れ、最も一般的。 | スナップボタン、装身具、機械部品、配線器具 |
| 六四黄銅(ろくよんおうどう)(C2801など) | |||
| 組 成 | 亜鉛含有量 | 特 徴 | 用 途 例 |
| Cu 60%: Zn 40% | 約 40% | 強度と硬度が高い。熱間加工に適している。 | ボルト、ナット、水栓金具、建材 |
亜鉛を20%以上含む銅合金と定義されながらも、丹銅(たんどう)も真ちゅうに分類される場合がある。
| 丹 銅(たんどう) | |||
| 組 成 | 亜鉛含有量 | 特 徴 | 用 途 例 |
| Cu 80%∼95% | 5%∼20% 未満 | 銅に近い赤みを帯びた色。展延性が非常に良い。 | 装飾品、楽器、深絞り加工品 |
銅合金の比重や融点を見る
鋳造用語 索引
