鋳造用語集

3Dプリンター(すりーでぃーぷりんたー)
Three Dimensional Printing Machine / Three Dimensional Printer

1986年にRPの一機種として開発された装置。
3Dデーター(STL データ)をスライスデータに変換して一層ずつ積層させて物体を形成させる装置。
近年では、アトマイザーで粉体化された金属をレーザー光線や電子ビームで溶融し凝固させるPBF方式で造形する、いわゆる金属プリンターにも注目が集まっている。

元々は、3Dプリンティングという技術を指す言葉で、装置はRPシステムと呼ばれていた。2017年に米国のオバマ大統領(当時)が3Dプリンティング技術を利用したRP装置を3Dプリンターと称したことが一般に定着した。3Dプリンターは、大きく6種類に分けられている(2021年現在)。

近年、製造改革としてAMが注目されている。金属製品のAMの現実的な実行手段としてロストワックス鋳造が挙げられる。鋳造用模型の出力方法としてロストワックス鋳造で一般的に利用される3Dプリンターは、SLA方式DLP方式などの装置を使いキャスタブルレジンで出力し、これを直接鋳造して成型する、いわゆるダイレクトキャスティングが行われる。

ブロックモールド法では、光造形システムで出力されるモデルは、キャスタブルレジンを使用しても、プラチナ合金などはダイレクトキャスティングが困難とされているが、マルチジェット方式は、焼失可能なワックスで造型するため、一般的な非鉄金属貴金属のダイレクトキャスティングが可能となる石膏型埋没材と同様に、高融点金属鋳造で使用する無結合型埋没材のダイレクトキャスティングも容易に可能となるため注目を浴びている。
また、マルチジェット方式は、溶剤に化学溶解するサポート材をワックス滴出するノズルとは異なるノズルから同時に滴出できるため、サポート除去が容易に可能となり、生産効率の向上にもつながる。

一方、砂型鋳造を基盤とした3Dプリンターを利用した鋳造として、SLS方式で鋳型を作り、その空洞に溶湯注湯するデジタルモールディングと呼ばれる方法で鋳造する生産技術もある。

名   称概                要
光造形方式紫外線硬化樹脂を使用して積層・造形する方法。
レーザー光線をガルバノミラーと呼ばれる鏡を数値で制御し光線の照射角度を変え、細部を造形するSLA方法と、液晶プロジェクターからの光を造形面に当て面で積層を行うDLP方式とよばれる方式がある。
熱溶解積層方式FDM方式とも呼ばれる。
ABSやPLA樹脂を射出ノズルで溶解して積層する方式。 2009年に特許が切れ多くの企業が参入したため、比較的低価格で販売される3Dプリンター。
近年では、かなり精度もよくなっている。
材料噴射方式マルチジェッティング (MULTI JETTING) やポリジェット (POLIJET) 方式と呼ばれる方法。
造形する材料をノズルから噴射し、光や結合剤を照射して硬化させる方式。
機種により顔料や染料を噴射させリアルな色も同時に着色することが可能。
粉末焼結方式SLS方式とも呼ばれる方法で、粉末状態の造形素材にレーザー光線の熱を当てて硬化させる方式。
素材はナイロンやポリプロピレンが一般的。
粉末固着方式PBF(POWDER BED FUSION) 方式とも呼ばれる。
造型ステージに敷き詰められた石膏粉に、造形ヘッドから吐出する接着剤で造形する装置で、造形段階でフルカラー印刷が行えるため、着色による造形で3Dモデルのリアルな表現が可能。但し、石膏を接着剤で固めているだけであるため、造形物の強度は低い。                          この方式を改良し、現在では金属粉体を利用しレーザー光線や電子ビームからの熱で仮硬化させて造形を行い、最後に焼結させて強度を出す方法。この焼結工程で20~30%の焼結による収縮が発生していた。
最近は、金属粉体を完全溶解して造型するシステムが主流。この場合には、収縮がほとんど発生しない(最大3%程度の収縮)。 この技術は、最近では一部で「鋳造」のカテゴリーで分類されはじめている。                                    製品強度も鋳造品とほぼ同等。但し、熱応力による変形と接触不可能な面のサポート除去が課題。すでに、航空・宇宙分野の製品開発で使われ、今後最も発展が期待される3Dプリンターである。
シート積層法シートラミネーション(SHEET  LAMINATION)方式とも呼ばれる方式。
紙・プラスチック・金属の薄いシートをレーザー光線などでカットし、これを接着剤で重ね合わす方式。
精度は他の方式と比べ劣る場合が多い。

 

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