アルミ合金(アルミごうきん)
Aluminum Alloys
アルミニウムを主成分とする合金の総称。
展伸用合金(板、棒、管、線などへの加工に適した合金)と鋳造用合金(鋳物やダイカストに適した合金)に大別される。
JIS規格(日本産業規格)では、展伸用合金は主要な添加元素によって1000系から8000系までの8種類に分類されている。
展伸用アルミニウム合金の種類(JIS規格)
展伸用合金は、アルミニウムを表す「A」の後に4桁の数字が付けられ、千番台の数字で合金系が区別されている。
■ 1000系
純アルミニウム。
加工性、耐食性、導電性、熱伝導性に優れるが、強度が低い。化学工業用タンク、装飾品、送配電材、放熱材などに使用される。
■ 2000系
主成分が、アルミニウムと銅の合金。
強度が鋼材に匹敵するほど高い(ジュラルミン、超ジュラルミン)。耐食性は低い。航空機部品、輸送機器、機械部品などに使用される。
■ 3000系
主成分が、アルミニウムとマンガンの合金。
純アルミニウムの耐食性を維持しつつ強度を向上。加工性も良い。飲料缶、器物、建材などに使用される。
■ 4000系
主成分がアルミニウムとケイ素の合金。
耐摩耗性が高く、熱膨張が少ない。融点が低いため、溶接の溶加材としても使われる。ピストン材料などに使われる。
■ 5000系
主成分がアルミニウムとマグネシウムの合金。
強度と耐食性に優れる。溶接性が良い。船舶、車両、プラント構造材、圧力容器などに使われる。
■ 6000系
主成分が、アルミニウムとマグネシウムとケイ素の合金。
強度と耐食性のバランスが良い。押出し加工性に優れる。建築用サッシ、自動車部品、ボルトなどに使われる。
■ 7000系
主成分が、アルミニウムとマグネシウムと亜鉛の合金。
アルミニウム合金の中で最も高強度(超々ジュラルミン)。航空機用材、スポーツ用品などに使われる。
■ 8000系
主成分が、アルミニウムと鉄などのその他の合金。
鉄とニッケルなど、特定の特性を目的とした特殊な合金。
鋳造用アルミニウム合金の種類
鋳造用合金は、AC(Aluminium Casting Alloy:鋳物用)またはADC(Aluminium Die Casting Alloy:ダイカスト用)の記号が冠され、主に以下の合金系がある。
■ Al-Si系 (AC4A, AC4C, ADC1, ADC12など)
鋳造性が良く、強度や耐摩耗性が高い。シリンダーブロック、ホイールなどで使われる。
比 重:約2.65~2.90
融 点:520~620℃
■ Al-Cu系 (AC2Aなど)
熱処理により高強度が得られる。
比 重:約2.65~2.90
融 点:480~650℃
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