鋳造用語集

オガネソン
Oganesson

2002年、ロシアのドゥブナ合同原子核研究所(JINR)とアメリカのローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)の共同研究チームは、カリホルニウム249(²⁴⁹Cf)にカルシウム48(⁴⁸Ca)の原子核を衝突させることで、原子番号118の元素の合成に成功した。その後の追試によって発見が確認され、2015年にIUPACが正式に発見を認定した。オガネソンは、現在正式に認められている118元素の中で最も原子番号が大きい元素であり、第7周期を締めくくる元素である。

2016年、IUPACは元素名をオガネソン(Oganesson)、元素記号をOgと正式に決定した。元素名は、ロシアの原子核物理学者ユーリ・オガネシアン(Yuri Oganessian)に由来する。オガネシアンは超重元素の合成や「安定の島」の研究に大きく貢献した人物であり、その功績を称えて命名された。

オガネソンは、第7周期・第18族に位置する希ガス元素であり、電子配置は [Rn] 5f¹⁴6d¹⁰7s²7p⁶ と考えられている。最外殻には8個の電子が存在するため、周期表上ではヘリウムアルゴンと同じ希ガス元素に分類される。

しかし、オガネソンは「普通の希ガスとはかなり違う可能性がある元素」である。

原子番号が118と非常に大きいため、原子核の強い電場によって電子の運動に相対論的効果が強く現れる。このため、単純に「ラドンをさらに重くした希ガス」と考えることはできず、電子構造や化学反応性が他の希ガスとは大きく異なる可能性が理論的に予測されている。

天然には存在せず、重イオン加速器を用いて人工的に合成される。これまでに作られた原子はごくわずかで、代表的な同位体オガネソン294(²⁹⁴Og)は極めて短寿命である。そのため、融点、沸点、密度など基本的な物性の多くは現在も実験的には確定していない。

工業的・商業的用途はなく、現在の用途は超重元素、原子核構造、相対論的効果、「安定の島」などを研究する基礎科学に限られている。

元   素   記   号   Og
陽      子      数  118
価   電   子   数  8
原      子      量
融                点   不明
沸                点   不明
密                度   不明
存      在      度   地球 天然には存在しない   宇宙 確認されていない
代表的な製品   実用製品なし(超重元素・原子核物理学研究用)
-こぼれ話-

オガネソンは、「存命中の人物の名前が付けられた、極めて珍しい元素」です。
元素名の由来となったユーリ・オガネシアンは1933年生まれで、オガネソンが正式名称となった2016年にも存命でした。IUPACによれば、存命人物にちなんで元素が命名されたのは、グレン・シーボーグに由来するシーボーギウム(Sg)に続く2例目です。
しかも、オガネシアン自身が超重元素研究の第一人者であり、オガネソンを含む超重元素の研究に直接関わってきた人物です。
2019年には英国王立化学会を訪れ、自分自身の名前が書かれた118番元素「Og」の周期表に本人が署名するという、元素研究の歴史でも非常に珍しい出来事がありました。
つまりオガネソンは、「自分の名前が付いた元素を、自分自身で周期表の中に見ることができた科学者」を持つ、非常に珍しい元素なのです。

なお、オガネソンにはもう一つ非常に面白い話があります。「希ガスなのに、常温で気体ではなく固体かもしれない」「他の希ガスより反応しやすいかもしれない」という予測です。

 

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