朧 銀(ろうぎん)
Rougin Japanese Alloy
日本の伝統的な金工(金属工芸)で使われる天然合金(色金)の一種。
煮色仕上げにより、表面に酸化被膜を人工的につくり、青味がかった黒に色を変えて装飾素材として使われる。
黒味銅(くろみどう)と混同される場合があるが、黒味銅は、意図的に混合した合金であるのに対し、山金は天然由来で、「鉄」「鉛」「ヒ素」「アンニモニー」などの不純物を含んだ銅を指すため、厳密にいえば二者は同義ではない。
古い時代の刀の鍔(つば)などには、山金が使われているが、天然由来による元素成分の偏りなどにより、渋い赤褐色から黒褐色の色にムラがあることが多い。
江戸時代より、山金そのものが入手困難であるため、意図的に、銅にヒ素を入れ黒味銅を使っていた。
しかし、現代では「ヒ素」の毒性から成分から外され、代わりにスズやピューターを入れて代用している。
| 山金と黒味銅 | ||||
| 名 称 | 別 称 | 合 金 成 分(一般的な成分構成/※一部異なる場合もある) | (煮色仕上げ後の)発 色 | |
| 銅 | スズ又はピューター(本来はヒ素) | |||
| 山 金(やまがね) | 黒味銅(くろみどう)と混同される場合がある | 天然合金のため不定 | スズ・以外に鉛・ヒ素・鉄・鉛・アンチモンなど | 青みがかった黒 |
| 黒味銅(くろみどう) | 山金(やまがね)と混同される場合がある | 97% | 3% | 青みがかった黒 |
鋳造用語 索引