溶態化処理(ようたいかしょり)
Solution Treatment / Solution Heat Treatment
徐冷で発生する析出を防止する熱処理のひとつ。
しばしば、固溶化処理や固溶化熱処理と同義に扱われるが、慣習的に「容態化処理」はアルミニウム合金や銅合金などの非鉄金属に対して使われる傾向がある。一方、「固溶化処理」や「固溶化熱処理」は、主にステンレス鋼(特にオーステナイト系ステンレス)に対して使われることが多い。
熱処理する合金を固溶限温度以上に加熱してこの状態を保ち、合金元素を原子の状態で溶け込ませ過飽和状態にさせてから急冷する熱処理方法。
『金属を高温化で溶かし、結晶の再配列や改善を行うことによって、材料の性質や機能を向上させる熱処理法。』
(熱処理技術ナビより抜粋)
『化合物となっている合金元素を原子の状態で溶け込ませるための熱処理。』
(ブリタニカ国際大百科事典より抜粋)
例:銅とアルミニウムの溶態化処理
焼き入れ及び焼き戻しによりアルミニウム合金の硬度を向上させる。
1. 加 熱 アルミニウム中には常温で銅は0.3%しか固溶しない。
0.3以上5.7以下の銅をアルミニウム中に固溶させるため584℃で加熱。
2. 保 持 一定時間温度を保持。この過程で銅元素が溶け込み、固溶体を形成。
この時点では、アルミニウムは軟化する。
3. 急 冷 温度保持後、急冷。
これにより、アルミニウム中の銅を過飽和にする。
4.焼き戻し 焼きもどすことにより、過飽和の銅を析出させアルミニウムの硬度を上げる。
例:ベリリウム銅の容態化処理
1. 加 熱
ベリリウム銅を約790~850℃で20分から1時間加熱する。
2. 急 冷
水を張った槽に入れるなどして急冷(焼入れ)する。
急冷によってベリリウム原子が析出するのを防ぎ、ベリリウムが過飽和に固溶した軟らかい組織(α/alpha相)が得られる。この状態の材料は、成形や加工が容易となる。
■ 時効硬化処理(析出硬化)
実際に硬化させるステップ。
過飽和に固溶しているベリリウムを、母相(銅)の結晶格子内に微細で均一な第2相(金属間化合物、主にγ/gamma相)をCuBeとして析出させ、転位の動きを妨げることで硬化させる。
1. 再加熱
固溶した材料を、比較的低温で再加熱する。
2. エージング
一定の温度で一定時間(数時間)保持し硬化させる。
鋳造用語 索引
