鋳造用語集

インバー
Inver

「アンバー」や「不変鋼(ふへんこう)」とも呼ばれる。
63%前後・ニッケル36%・マンガン0.7%・炭素.2%未満の合金。
フランス語の invariable(変化しない)という言葉に由来しており、鉄が「11.8×10-6」に対して、「1.2×10-6」と、常温で熱膨張が小さい合金。

「不変鋼」と呼ばれる理由も、この著しく低い膨張率に由来する。
精密機器や時計、測量用のテープ、最近ではLNGタンク(低温で材料が縮むと困る場所)など、温度が変わっても、寸法が変わってはいけないものに欠かせない素材。

この配合は、1896年にスイス人の物理学者シャルル・エドゥアール・ギヨームによって発見された。
彼はこの功績により、1920年にノーベル物理学賞を受賞している。

なぜ伸び縮みしないのか

通常、金属は熱を加えると原子の振動が激しくなり熱振動、隣の原子との距離が広がるため「熱膨張」が起こる。
しかし、インバーには「インバー効果」と呼ばれる特殊な現象が働く。

■  インバー効果
 インバーは強磁性体であり、温度が上がって熱膨張しようとする力に対し、磁気的な性質が変化することで原子同士が引き付け合い、「膨張分を収縮分で打ち消す」という絶妙なバランスを保っている。
この「膨張」と「収縮」が打ち消し合い、見かけ上の体積が不変になる。

 

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