鋳造用語集

マンガン青銅(まんがんせいどう)
Manganese Bronze

銅(Cu)を主成分とし、マンガン(Mn)を主要な添加元素として含む銅合金、またはマンガンを添加した高強度の銅合金に用いられる名称である。

マンガンは銅に添加することで強度、硬さ、耐摩耗性、耐食性などを向上させる。また、溶解時には酸素との親和力が強く、脱酸にも作用するため、銅合金の添加元素として利用されている。

Cu-Mn系のマンガン青銅では、マンガン含有量によって機械的性質や電気的性質が変化する。さらにニッケルなどを添加したCu-Mn-Ni系合金もあり、高い電気抵抗と比較的小さな抵抗温度係数を利用した電気抵抗材料として使用されるものもある。

一方、英語圏でManganese Bronzeと呼ばれる材料には、銅-亜鉛(Cu-Zn)を主体としてマンガン、アルミニウム、鉄などを添加した高強度黄銅系合金が含まれる。この場合、「Bronze(青銅)」という名称であっても、組成上は一般的な銅-スズ系青銅ではなく、高力黄銅に近い合金である。

このような高強度のManganese Bronzeは、優れた強度、耐摩耗性、耐食性を持つことから、船舶用プロペラ、歯車、軸受、ブッシュ、バルブ、ポンプ部品、各種機械部品などに利用されてきた。

つまり「マンガン青銅」という名称だけでは合金組成を一義的に決めることができず、Cu-Mn系なのか、Cu-Mn-Ni系なのか、あるいはCu-Zn-Mn系の高力黄銅系材料なのかを組成や規格から確認することが重要である。

マンガン青銅
種  類 代表規格 代表的な組成 融 点 比 重 特徴/用途
マンガン青銅 C86300 Cu 60~66%、Zn 22~28%、Al 5~7.5%、Fe 2~4%、Mn 2.5~5%(Ni 1%以下、Sn・Pb各0.2%以下) 885~923℃ 7.83 高強度・耐摩耗性・耐荷重性に優れ、船舶部品、プロペラ関連部品、歯車、軸受、ブッシュ、バルブ部品、耐摩耗部品などに使用

 

鋳造用語 索引

© 2026 吉田キャスト工業株式会社 Powered by AFFINGER5