鋳造用語集

シルジン青銅(しるじんせいどう)
Silzin Bronze

銅(Cu)を主成分とし、ケイ素(Si)と亜鉛(Zn)を主要な添加元素とする銅合金であり、ケイ素青銅の一種として扱われる鋳造用銅合金である。「Silzin」の名称は、主要添加元素である Silicon(ケイ素)と Zinc(亜鉛)に由来する。

一般的なケイ素青銅がCu-Si系を基本とするのに対し、シルジン青銅は数%のケイ素に加えて比較的多量の亜鉛を含むCu-Si-Zn系合金である。

ケイ素の添加によって強度、耐食性、流動性が向上し、亜鉛を組み合わせることで鋳造性や機械的性質が調整されている。特に溶湯の湯流れが良いため、複雑形状の鋳物にも適している。

また、スズ青銅などと比較して高い強度を得ることができ、耐食性にも優れている。このため、船舶用ぎ装品、軸受、歯車、バルブ、ポンプ部品、ボート用プロペラなど、強度と耐食性が要求される鋳造部品に使用されている。

シルジン青銅には組成の異なる複数の種類があり、JISではCAC801、CAC802、CAC803、CAC804などが規定されている。このうちCAC802は、銅約78.5~82.5%、亜鉛14~16%、ケイ素4~5%を含み、CAC801より高い強度を持つ代表的なシルジン青銅鋳物である。

ケイ素による優れた流動性と耐食性に、亜鉛による鋳造性や機械的性質を組み合わせた――強度と鋳造性を兼ね備えた代表的なCu-Si-Zn系鋳造用銅合金である。

マンガン青銅
種  類 代表規格 代表的な組成 融 点 比 重 特徴/用途
シルジン青銅鋳物1種 CAC801(旧SzBC1) Cu 84~88%、Zn 9~11%、Si 3.5~4.5% 約950~1,000℃ 約8.3  湯流れ・強度・耐食性に優れる。舶用ぎ装品、軸受、歯車など
シルジン青銅鋳物2種 CAC802(旧SzBC2) Cu 78.5~82.5%、Zn 14~16%、Si 4~5% 約900~960℃ 約8.3 CAC801より高強度。舶用ぎ装品、軸受、歯車、ボート用プロペラなど
シルジン青銅鋳物3種 CAC803(旧SzBC3) Cu 80~84%、Zn 13~15%、Si 3.2~4.2% 約900~970℃ 約8.3 湯流れが良く、強度・耐食性に優れ、焼なましぜい性が少ない
シルジン青銅鋳物4種  CAC804 Cu 74~78%、Zn 18.5~22.5%、Si 2.7~3.4% 約880~950℃ 約8.3 鉛浸出量が少なく、給水装置、水道メータ、バルブ、継手など

 

鋳造用語 索引

© 2026 吉田キャスト工業株式会社 Powered by AFFINGER5