レアアース/希土類元素(きどるいげんそ)
Rear Earth / Rear Earth Elements / REE
レアアース(希土類元素)とは、ランタノイド15元素に、スカンジウム(Sc)とイットリウム(Y)を加えた計17元素の総称である。
名称に「レア(Rare:希少)」と付いているが、多くの元素は地殻中に比較的豊富に存在しており、必ずしも存在量が少ないわけではない。実際には、これらの元素は地中に広く分散して存在するため、高濃度に集まった鉱床が少なく、採掘・分離・精製が難しいことから「希土類」と呼ばれている。
「希土類(Rare Earth)」という名称は18~19世紀の化学で使われていた言葉に由来する。当時、金属元素の酸化物は「土類(Earth)」と呼ばれており、その中でも発見例が少なく珍しかったことから「希土類」と名付けられた。しかし現在では、多くのレアアースは銅や鉛よりも地殻中に多く存在することが知られており、「希少」という言葉は、採掘や精製の難しさを表していると考える方が適切である。
レアアースは化学的性質が非常によく似ているため、鉱石中ではほぼ必ず混在して存在する。そのため、個々の元素を高純度で分離するには、溶媒抽出やイオン交換法などの高度な精製技術が必要となる。この精製工程が複雑であることも、レアアースが重要な戦略資源となっている理由の一つである。
現在では、永久磁石、電気自動車(EV)、風力発電、スマートフォン、LED、レーザー、液晶ディスプレイ、超伝導材料、光ファイバー、航空宇宙材料など、最先端技術を支える重要元素として世界中で利用されている。また、中国が世界のレアアース生産・精製能力の大部分を占めていることから、各国では資源確保やリサイクル技術の開発が重要な課題となっている。
レアアースの分類
レアアースは、化学的性質や資源としての特徴から、さらに軽希土類と重希土類の2つに分類されることが多い。
軽希土類は、比較的産出量が多く、永久磁石や研磨材などに利用され、重希土類は、一般的に希少性が高く、高性能磁石やレーザー、医療機器などに利用される。
※スカンジウムは、レアアースに含まれるが、軽希土類・重希土類のいずれにも分類しないことが一般的。
| 軽希土類(Light Rear Earth Elements / LREE) |
| ランタン(La)・セリウム(Ce)・プラセオジム(Pr)・ネオジム(Nd)・プロメチウム(Pm)・サマリウム(Sm) |
| 重希土類(Heavy Rear Earth Elements / HREE) |
| ユウロピウム(Eu)・ガドリニウム(Gd)・テルビウム(Tb)・ジスプロシウム(Dy)・ホルミウム(Ho)・エルビウム(Er)・ツリウム(Tm)・イッテルビウム(Yb)・ルテチウム(Lu)・イットリウム(Y) |
代表的な用途・産業
■ ネオジム(Nd):ネオジム磁石(EVモーター、ハードディスク)
■ ジスプロシウム(Dy):耐熱ネオジム磁石
■ テルビウム(Tb):蛍光体、磁気光学材料
■ ユウロピウム(Eu):赤色LED・液晶ディスプレイ
■ セリウム(Ce):ガラス研磨材、自動車排ガス触媒
■ ランタン(La):光学ガラス、水素吸蔵合金
■ イットリウム(Y):YAGレーザー、高温超伝導体
■ ガドリニウム(Gd):MRI造影剤、中性子吸収材
■ ルテチウム(Lu):PET診断装置、放射線治療
「レアアース」という名前から、「地球上にほとんど存在しない非常に珍しい元素」と思われがちですが、実はそうではありません。例えばセリウムは銅よりも地殻中に多く存在し、ネオジムも鉛より豊富です。それでも「レア」と呼ばれるのは、これらの元素が互いによく似た性質を持ち、鉱石中に混ざって存在するため、一つひとつを高純度で分離するのが非常に難しいからです。
現在では、スマートフォンや電気自動車、風力発電機など、私たちの身近な製品に欠かせない材料となっており、「現代社会を支えるビタミン元素」とも呼ばれることがあります。添加量はごくわずかでも、その性能を飛躍的に向上させることから、最先端技術には欠かせない存在となっています。
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