レアメタル
Rear Metal
レアメタルは、「周期表のこの場所にある元素」という化学的な分類ではない。
日本では、産業にとって重要でありながら、資源の偏在、供給量、採掘・精製の難しさなどから安定供給上の注意が必要な金属をまとめてレアメタルと呼んでいる。
レアメタルとレアアース
レアアースはレアメタルの一種として扱われることはあっても、「レアメタル=レアアース」ではない。
たとえば、リチウム、コバルト、タングステン、モリブデン、タンタル、ニオブ、白金族元素などはレアメタルとして扱われるが、レアアースではない。
一方、ネオジム、ジスプロシウム、セリウムなどはレアアースであり、日本の資源政策上はレアメタルにも含まれる。
「レアメタル」には世界共通の厳密な元素リストがあるわけではないため、具体的な元素名を言う場合には、「日本における一般的な資源政策上の分類では」という前置きを入れるのが正確な表現となる。一方、これに対してレアアース17元素は、かなり明確に定義でる。
レアメタルは「資源としての希少性・重要性」からまとめられた金属群であり、レアアースは「化学的性質の似た17元素」を指す元素群である。
| レアメタル | レアアース | |
| 意 味 | 産業上重要で、供給確保が難しい金属資源の総称 | 化学的性質が似た特定の元素群 |
| 分類基準 | 希少性・産業的重要性・供給リスクなど | 周期表上・化学的な分類 |
| 世界共通の厳密な定義 | ない | ほぼ明確 |
| 日本での扱い | 政策・資源確保上の分類として使用 | 17元素 |
| 元素数 | 定義によって異なる | 17元素 |
| 代表例 | Li、Co、Ni、W、Mo、Ti、Cr、Ptなど | Sc、Y+15種類のランタノイド |
| 両者の関係 | 大きな分類 | 日本ではレアメタルの中にレアアースを含めて扱うことが多い |
「レア」という言葉にも注意が必要
もう一つ重要なのは、レア=地球上にほとんど存在しない、とは限らないことである。
例えばレアアースのセリウムは、地殻中に比較的多く存在する元素であり、銅より豊富とされることもある。それでも「Rare Earth」と呼ばれるのは、名称が成立した歴史的背景や、鉱石中から個々の元素を分離することが難しかったことなどに由来する。
レアメタルについても同様で、「存在量が少ない」だけで決まるわけではない。鉱石品位が低い、特定地域に資源が偏っている、他の金属の副産物としてしか得にくい、精製が難しい、産業上の代替が難しい、といった事情も重要である。
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