ケイ素黄銅(けいそせいどう)
Silicone Bronze
銅(Cu)を主成分とし、ケイ素(Si)を主要な添加元素とする銅合金である。「シリコンブロンズ」とも呼ばれ、一般に数%程度のケイ素を含み、用途によってマンガン、亜鉛、鉄などが添加される。
ケイ素を添加することで、純銅に比べて強度、硬さ、耐食性、耐摩耗性が向上する。また、比較的良好な延性を持ち、熱間・冷間加工や溶接にも適している。特に海水や大気中での耐食性に優れていることから、屋外や水まわりで使用される部品にも適している。
ケイ素は銅合金の溶解時に脱酸作用を示すため、適切な組成では健全な鋳物を得やすい。また溶湯の流動性にも優れ、複雑な形状や薄肉部への充填性が比較的良好である。このため、機械部品だけでなく、美術品や彫刻などの鋳造材料としても使用されている。
主な用途には、バルブ、ポンプ部品、船舶部品、ボルト・ナット、建築金物、電気部品、美術鋳造品、彫刻などがある。耐食性と鋳造性の両方が求められる用途に適した銅合金である。
なお、「青銅」は本来、銅とスズを主体とする合金を意味するが、ケイ素青銅には基本的にスズを主要成分として含まないものも多い。それでも、銅を主体とした耐食性・鋳造性に優れた合金群として、歴史的・慣用的にSilicon Bronze(ケイ素青銅)の名称が使用されている。
スズを主要元素とする従来の青銅とは異なり、ケイ素の働きを利用して優れた強度、耐食性、加工性、鋳造性を得る――工業部品から美術鋳造まで幅広く利用される銅合金である。
| 種 類 | 代表規格 | 代表的な組成 | 融 点 | 比 重 | 特徴/用途 |
| ケイ素青銅 | C65100 | Cu:残部/Si:0.8~2.0%程度 | 約1,000℃前後 | 約8.7~8.9 | 強度、耐食性、加工性に優れる |
| 高ケイ素青銅 | C65500 | Cu:残部/Si:2.8~3.8%程度 | 約950~1,025℃ | 約8.5~8.6 | 高強度、耐食性、建築・船舶部品 |
| シルジン青銅鋳物 | CAC802 | Cu:約78.5~82%/Zn:約14~16%/Si:約4~5% | 約900~1,050℃ | 約8.3~8.7 | バルブ、ポンプ、美術鋳造品 |
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